過去ログ - 妹の手を握るまで
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558:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県)[saga]
2012/01/06(金) 18:22:07.98 ID:Kir/yBk8o
「あたし、お兄さんのことが好きですから」
お兄さんを案内している時に、あたしはこの言葉を何度か口にした思う。お兄さんへの今日中の告白を決意したあたしだったけど、この言葉は特に告白を意識したものではなかった。お兄さんのことが大好きになってしまっていたあたしは、この程度の言葉は何の抵抗もなく普通に口を出るようになっていた。
でも。それが結果的には良かったみたい。お兄さんはあたしの言葉を気にするようになり、あたしを意識してくれるようになったのだから。
それは喫茶店から出て中庭の方に歩いていた時だった。

「あ、あのさ、さっき言ってた・・・・・・俺のこと好きって言うのさ」
お兄さんが顔を赤くしながらあたしに尋ねた。予定より少し早かったけど、自分の気持ちを伝えるのは今だ。あたしは極力冷静な声を出すよう努めた。

「ああ。はっきり言わなかったですからね・・・・・・。お兄さんのこと、異性として好きです。よかったら付き合ってください」
驚いた表情のお兄さんに構わずあたしは言葉を畳みかける。

「あたしの彼氏になってください」

「はい」
お兄さんは迷わず即答した。あたしは驚いて思わずお兄さんに、はい? って聞き返しまった。内心では振られるかもしれない、正直どうせ妹ちゃんに負けるのだろうという気持ちもあったから。
でも。あたしの精一杯の告白を聞いたお兄さんの表情は真剣だった。あたしはこのゲームで妹ちゃんに競り勝ったのだ。



こうして、あたしはお兄さんの彼女になった。あたしに生まれて初めて恋人ができたのだ。


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