665:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県)[saga]
2012/01/10(火) 22:39:35.06 ID:TszowrXeo
その日あたしは学園祭で生じた細々としたトラブルを処理するのに疲れ、少し休憩しようと調理部のケーキ目当てに調理部が出店している喫茶店に入ったところで、窓際の席で座っているあいつと妹ちゃんに気が付いた。
あたしは迷わずその席に割り込んだ。あいつは邪魔するなと言わんばかりの態度だったけど、妹ちゃんは喜んであたしを受け入れてくれた。
その妹ちゃんの態度を見る限りやはり妹ちゃんがあいつに惚れているようには見えなかった。あたしたちは少し世間話をした。
本当に他意はなかったのだけれど、その時ふと気が付いてあたしは妹ちゃんに尋ねてみた。
「今日は妹ちゃんの大好きなお兄ちゃんは来てくれないの?」
「・・・・・・来てると思うよ」
妹ちゃんは軽い口調で答えた。彼女のお兄さんが学園祭に来てると知って、あいつがすこし慌てたのがわかった。
「せっかく大切なお兄さんが来てるのに、案内とかしないの?」
あたしは少し妹ちゃんを試してみた。すると帰ってきた答えは意外なものだった。
「・・・・・・うん。妹友ちゃんが案内してくれるって言ってたから」
妹ちゃんはポツリと言った。
「・・・・・・あんた、それでいいの? いつもは少しでもお兄ちゃんと一緒にいたいオーラを出してるのに」
あたしはざわめく感情を鎮めえようと努めながら聞いた。
「お兄ちゃんには会いたいけど、妹友ちゃんの邪魔は出来ないし」
妹ちゃんが答える。
「え? 何々。妹友ちゃんって妹ちゃんのお兄さんのこと好きなの?」
「多分、そうじゃないかな。あ、妹友ちゃんにはこの話は内緒だよ」
そんな訳がない。妹友ちゃんが好きなのはあんたなんだから。あたしは危うく妹友ちゃんの秘密を口にしてしまいそうになった。
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