過去ログ - 妹の手を握るまで
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721:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県)[saga]
2012/01/14(土) 21:01:21.58 ID:0mvEX45Yo
あたしの悩みをよそに妹ちゃんはいろいろ吹っ切れたようだった。妹友ちゃんが好きな人が先輩でもお兄さんでもどちらでもいい。
昼休みの中庭で妹ちゃんはそう言った。

「妹友ちゃんが先輩のことの意趣晴らしにお兄ちゃんを利用したのなら妹友ちゃんを許さない」
妹ちゃんの表情は感情に高ぶることもなく冷静だった。

「・・・・・・妹ちゃん」
あたしは彼女の言葉聞くのが辛かった。妹友ちゃんの今度だけはうまく行きそうな恋愛感情を邪魔しているのだから。

「でもね」
妹ちゃんは続けた。

「妹友ちゃんがお兄ちゃんの言うように本当にお兄ちゃんのことを好きだとしても」

「うん」

「あたしはもう遠慮するのをやめたの。無理にお兄ちゃんの気持ちを振り向かせる気はないけど」

あたしは黙った妹ちゃんの言葉の続きを待った。

「お兄ちゃんに妹友ちゃんと別れてとかは言わない。でもお兄ちゃんがあたしを求めるならいつでも」

「ちょ、ちょっと待ってよ」
あたしは口を挟んだ。

「あんたまさか」

妹ちゃんは俯いて赤くなった。

「・・・・・・うん。あたしお兄ちゃんと結ばれたの。後悔はしてないよ」


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