過去ログ - 妹の手を握るまで
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722:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県)[saga]
2012/01/14(土) 21:02:56.94 ID:0mvEX45Yo
まずい。あたしはその時そう思った。ここまでしてしまった以上今更どうしようもないことはわかっていたけど、せめて事態が悪化しないようにと考えていた矢先だった。
妹友ちゃんのお兄さんへの気持ちが真実だとしたら、あたしは相当ひどいことを彼女にしたことになる。確かに彼女は自己中心的で周囲の迷惑も顧みないし口が軽く気軽に人の秘密を洩らしたりす
る。今のあたしは妹友ちゃんが好きか嫌いかと聞かれたら嫌いだった。それも大嫌いだった。

だからといって妹ちゃんが仕掛けたことがゲームではなく純粋な恋心から来ているものならあたしが邪魔をするなんてもってのほかだった。まして妹友ちゃんを邪魔することによりあたしも長年の片想いを成就させたことだし。

ただひとつ救いだったのは妹ちゃんのお兄さんへの恋心もまた純粋なものだということだった。妹ちゃんはあたしに唆されて妹友ちゃんからお兄さんを取り戻すことにした。でも、妹友ちゃんへの嫌悪と自分の恋の達成を動機として妹ちゃんをアシストしたあたしと違って、妹ちゃんは自分の本心に従って行動しただけなのだ。妹友ちゃんの本当の動機を知っても後悔はしないだろう。
現に、妹友ちゃんが本当にお兄さんのことを好きだとしてももう妹友ちゃんには遠慮しないと明言しているのだから。

あたしは妹友ちゃんへの罪悪感に妹ちゃんを巻き込まないですんだことに少しだけほっとした。いずれにせよもう引き返せなかった。これ以上あたしにできること何もなかった。
仕掛けておいて無責任なようだけど、これまで周りに振り回され流されてきたお兄さんにやっとボールが渡ったのだ。混沌とした事態が急にくっきりとした姿を現し始めていた。
一人の男を巡る二人の女の子の争い。決着はお兄さんがどちらを選ぶかで決まるのだ。


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