890:saga
2012/01/22(日) 19:41:24.20 ID:1Eq+XbUTo
帰宅後、お風呂から上がったあたしはお風呂が空いたことを知らせにお兄ちゃんの部屋に向かった。
「お兄ちゃん、お風呂空いた」
あたしがそう声をかけてかドアを開けるとお兄ちゃんは何だか慌てた様子であたしを見た。
すぐにおにいちゃんはあたしの目から視線を逸らしたけれど、今度はその視線はあたしの身体に止まった。
「・・・・・・ちゃんと服着たら?」
お兄ちゃんは少しかすれた声で言った。まだ風邪が完全によくなっていないのかもしれない。
「だって暑いし。もう少ししたら着るよ」
あたしはそう答えてからふと自分の今の服装に気がつき密かに狼狽した。
あたしは血行がいいのかお風呂に入るとすぐに体温があがる。冬でも風呂上りは暑くてたまらないので暑さが落ち着くまではショートパンツとタンクトップだけで過ごす癖があった。
そして今まではお兄ちゃんは部屋にこもっていることが多かったため、そういう姿のあたしとお兄ちゃんと向き合うことはなかったのだけど、ここ最近は家の中でお兄ちゃんと過ごす時間が増えて
いた。
・・・・・・まずかったかな、こんなだらしない格好で。あたしはもう少しきちんとした服装でお兄ちゃんの部屋に来ればよかったと少し後悔した。だらしのない子だと思われたかもしれない。
「お風呂入らないの?」
お兄ちゃんが一向に腰かけているベッドから立ち上がらないので、あたしはお兄ちゃんに聞いた。
「う、うん。入る」
お兄ちゃんは相変わらずじっと座ったままだ。
「出たらスイッチ切っておいて」
その時、あたしはお兄ちゃんがさりげなくあたしの身体を見つめていることに気がつき、反射的に髪の毛を拭くために持っていたタオルをタンクトップの胸元に持っていった。
「風呂入る」
身体を隠したあたしから視線を外して、お兄ちゃんはぽつんと言った。
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