922:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県)[saga]
2012/01/23(月) 22:47:20.41 ID:cC0z6VNso
学園祭の準備をしている間に、あたしの心の中から先輩の姿が消え再びお兄ちゃんのことが心の大半を占めるようになった。
今日はずっと、手と体を動かしながら昨日のお兄ちゃんとの会話を何度も繰り返し思い出したり、あたしを抱き寄せたお兄ちゃんの手の感触を思い出し心を悩ませたりして過ごしてしまったようだ。
ようやく作業が終わった頃には、あたしたちの係以外の生徒の姿はほとんどなくなっていた。いつもは自分の作業が終わっても一緒に帰るために待っていてくれる妹友ちゃんの姿ももうなかった。
本当はすぐにでも家に帰ってお兄ちゃんに会いたかったけど、もしも妹友ちゃんがどこかであたしを待っているとまずいと思い、あたしはたまたま見かけた妹友ちゃんと同じ係の子に妹友ちゃんは
どうしたのか聞いてみた。
今日は係の仕事が終わるとすぐに帰ったよという返事だった。そういう時はいつもあたしに一言ある妹友ちゃんなのにおかしいな。あたしは少し不審に感じたけどそれ以上に早く帰宅したいとい
い気持ちのほうが優っていた。
あたしは同じ係の生徒や今日は何時に帰れるかわからないと笑っている実行委員長ちゃんにさよならを言い早足で校門を出たその途端に携帯にメールが来ていたことに気づいた。
from :お母さん
sub :無題
『諸君の両親に来週末までの帰還は絶望的につき、各自それぞれ工夫し自給自足で生き延びられるように努力されたし』
『ということであんたには悪いんだけど家のことよろしくね。あと、朝昼はいいけど夕食はお兄ちゃんのも用意してやって。出前とかでいいから』
『じゃあ気をつけてね。何かあったらお母さんに電話すること。あと、お金は電話のところにあるのを使って。まだ残ってると思うから』
一週間、お兄ちゃんと二人きりだ。昼間はお互い学校で会えないけど下校して家に帰ればお兄ちゃんと一緒にいられる。
あたしの幸運は尽きることがないように感じられた。もう夜遊びはやめよう。せっかくお兄ちゃんと寝るまで過ごせるのだから。それに朝お兄ちゃんを起こすのは今ではあたしの役目になっていた
。そのためにも夜は早く寝ないと。
あたしは携帯を閉じると再び早足で学校を後にした。
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