935:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県)[saga]
2012/01/24(火) 22:17:59.51 ID:RrfoawJyo
結局あたしは先輩に誘われるまま学校近くのスタバについて行った。
先輩には今日は家で食事するので夕食は付き合えない、どんなに遅くなってもお兄ちゃんが帰る前には家に着いていたいので時間がかかるカラオケやボーリングはいや。
それでいいならと少しだけ付き合うことにしたのだけれど、先輩も行き先にはこだわらなかったようで結局スタバで向かい合って座ることになった。
大した会話もなく1時間くらい経ったとところであたしが帰ると言い出すと、それまであたしが話しかけてもろくに話そうとしなかった先輩が急に喋りだした。
「もう少し一緒にいてくれてもいいじゃんか」
「俺が勘違いしてるんでなければ、俺たちって付き合ってるんだよな?」
「おまえの気に触るならもうおまえの兄貴の悪口とか言わねえから」
「遅くなるとおまえが兄貴に怒られるんだったらさ、俺がおまえの兄貴に謝るよ。妹さんを連れまわしちゃってすいませんでしたってさ」
もうこれ以上聞きたくなかった。先輩は悩んでいたのだ。そしてその原因を作ったのはあたしだ。
先輩と付き合い出して先輩のいいところとか弱いところとか親しみやすいところとかをあたしは知った。逆に言えば常に周りの友人たちに虚勢を張っている先輩は、あたしには弱みを無防備にさらしてくれるようになっていたのだ。
お兄ちゃんを忘れようとして始った付き合いだったけど、あたしは先輩のことが嫌いではなかった。あたしの心の中からお兄ちゃんの存在さえなくなればあたしはもっと先輩に夢中になったかもしれない。
でも結局あたしはお兄ちゃんを忘れることはできなかった。
・・・・・・特にお兄ちゃんがあたしを抱きしめてくれたあの夜以降は、あたしは先輩のことはほとんど考えずいつもお兄ちゃんのことを考えていたのだ。
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