956:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県)[saga]
2012/01/26(木) 22:11:24.24 ID:1OhvfVmto
「じゃあ海見に行こうよ」
あたしはお兄ちゃんにおねだりした。
お兄ちゃんの二日酔が収まってきたので、あたしたちは昼食を取るためにお兄ちゃんの車で外出していた。
二日酔なんだから車じゃなくてとも考えたけど、今日学校を休んでいるあたしにとって徒歩で繁華街まで出るのは危険だった。
でもそれもあたしが自分に言い聞かせた言い訳かもしれない。あたしはお兄ちゃんと二人きりで出かけたかった。それにはドライブするのが手っ取り早い。
普通にファミレスに行くだけなら片道で15分もあれば目的地に着いてしまう。でも幸いなことにぼうっと運転していたお兄ちゃんは道を間違えた。不要な交差点を右折して高速道路に入ってしまったのだ。
まだ昼食には早い時間だった。
「・・・・・・この道ってこのまま行くとどこに着くの?」
あたしはお兄ちゃんに聞いた。
「まあ、湘南とか小田原とかそっち方面だな」
「まだお昼には早いよね」
「まあ、12時前だしな」
「このまま海に行く?」
あたしはお兄ちゃんを誘った。
「へ?」
「海の方へ向ってるんでしょ」
「う、うん」
「別にいいけど」
お兄ちゃんはぼそっと言った。熱意も喜びのかけらも感じられない声だけど、あたしにはこれまでにはなかった余裕があった。
「・・・・・・あたしたちデートしてるみたいだね」」
あたしはくすっと笑いながらお兄ちゃんを見上げた。お兄ちゃんの顔が赤くなった。
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