過去ログ - 妹の手を握るまで
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973:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県)[saga]
2012/01/27(金) 22:27:28.11 ID:qSeizNVEo
あたしと先輩はその後一緒に校内を回ったけれど、お兄ちゃんにも妹友ちゃんにも会うことはなかった。
正直、先輩と一緒にいるところをお兄ちゃんには見られたくなかったので、あたしはほっとしていた。

後夜祭のフォークダンスを踊っている時、ダンスの輪に入らずキャンプファイアの灯りを横顔に受けながらじっと考え事をしている妹友ちゃんを見かけた。あたしは妹友ちゃんとお兄ちゃんの間に今日何かあったのだろうかと考えたけど、それについて深く考えこむことはなかった。
あたしはお兄ちゃんのあたしへの好意や関心(愛と言い切れるほどの自信はまだなかったけど)について、珍しく自信をもっていたから。

後夜祭が終わったあと、先輩にはグループの女の子たちから声がかかった。みんなで遊びに行くらしい。先輩や女の子たちはあたしも誘ってくれたけど、あたしはそれを断った。そして先輩もいつものようにしつこくあたしを付き合わせようとはしなかった。
それはあたしにとってラッキーなんだけど、少し違和感を感じた。先輩があたしをしつこく誘わないのは珍しい。
でもその時は深く考えることなく先輩やみんなにさよならを言ったのだった。
先輩たちにさよならを言ってまだキャンプファイアの灯りが残っている校庭を振り返った時、あたしは先輩を囲んだ女の子たちの中にどういうわけか委員長ちゃんも混じっていることに気が付いた。


あたしは家に帰る途中いろいろ考えた。変な声を出してしまったことも先輩と付き合いながらお兄ちゃんの方が好きなことも、お兄ちゃんから逃げていても解決しない。

先輩と委員長ちゃん、お兄ちゃんと妹友ちゃん。
あたしが逃げているい間もあたしの周りの人たちの相互の関係は進展したり足踏みしたりしながらも少しづつ変っているように思えた。

・・・・・・お兄ちゃんに会おう。会ってこれまでの態度を謝ろう。
そして。

お兄ちゃんがそれでもあたしを求めてくれるならそれに応じよう。
あたしは少しでも早く家に帰れるよう少しでも早くお兄ちゃんに会えるよう、足を速めた。


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