過去ログ - 土御門「忘れたかにゃー、インデックス。オレって実は天邪鬼なんだぜい」
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◆sk/InHcLP.
[saga sage]
2012/01/21(土) 20:05:03.86 ID:yEPWimwz0
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人の気配がないマンションというのは不気味なものだ。建物を構成している塊から温かみを感じられない、とでもいうべきか。
おそらく皆、夏休みにかまけて遊びに行ったまま帰ってこないのだろう。どいつもこいつも平和ボケしていて結構なことだ。
平和・平穏は、近くにあるようで案外遠い存在と、土御門元春は常々思っている。これは逆説的に考えると分かりやすい。
人が平和を実感するには、平和でない状態を認識する必要がある。当たり前のようで、よく考えてみるとゾッとする実態だ。
そして、土御門元春はその実態を人より良く知っている。彼は、平和でない状態の恐ろしさを身を持って体験したのだから。
(……。だからこそ、オレは舞夏だけは守ってみせる。世界を良い方向に変えることで、舞夏を守ってみせる)
誓いを新たにした少年は、拳を握りしめたまま鉄の箱に乗り込み、上へ上へと昇って行く。
目的を見失うことなく、自己の仕事をこなすために。意に反して現れた障害を、この手で完全に除く覚悟を持って。
そう、まず帰ってきてから彼がすべきことは、
「夕飯、どうしようかにゃー…」
『腹が減ったらまた来てもいい』、と彼はあの少女に言った。彼女がその言葉をどこまで本気だと受け止めたのかは分からない。
だが、もしも彼女が…いや間違いなくではあるが、行く当てがなくここに舞い戻ってきたとなれば。飯くらいは食わせてやろう。
彼にもそれくらいの良心はあるし、元々知り合いだったよしみもある。だから、土御門は家でインデックスを待つのだ。
とはいえ、彼女が戻ってくる保証など無い……訳でもない。実は、このマンションに彼女が戻ってくる保険もあるのだ。
インデックスが残して行った修道服のフードの存在。それが、彼女がここに一度帰ってくるもう一つの理由となっている。
流石に彼女も、そろそろ自分の頭の上に乗っていたモノが消えたことに気がついているだろう。そして、彼女は必ず取りに来る。
あの布きれ一枚は、少女以外の人間にとっては毒でしかないから。あんな白い布が、少女以外の人間に絶対的な危険を及ぼすから。
だから、土御門元春はフードをわざとあの場所に放置してきた。彼女が絶対に取りに戻ることが分かっていたから。
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