過去ログ - 土御門「忘れたかにゃー、インデックス。オレって実は天邪鬼なんだぜい」
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◆sk/InHcLP.
[saga sage]
2012/02/22(水) 00:42:12.16 ID:FR3rivc20
「…一応……アテならある…」
「! 本当っ!?」
「ああ…。魔術の知識は……無いが…おそらくは……丈夫だ。困った人間を……て置けない…、お人好し、、だから…」
荒く身体を上下させながらも、土御門は笑う。その笑顔は明らかに作り物だったが、表情を作れるだけの心の余裕はあるということだろう。
もしかすると、自分を励まそうと懸命に笑っているのかもしれない。またひょっとすると、意識を保ち続けるために必要な行動なのかもしれない。
それでも、そんな苦痛に満ちた笑顔に、インデックスは励まされていた。本当は、自分の傷を癒したために傷つき倒れた彼を、励ますべきなのに。
意識が途絶えないように声をかけ続け、ちゃんとした治療が出来る場所に運べるように連絡を取り、手術室の前で主に祈りを捧げるべきなのに。
なのに、死にかけた男の精一杯の強がりに、少女は励まされていた。本当、この街に来てからというもの、彼には世話になりっぱなしだ。
「…分かった。あとはその人との連絡だけお願いね。喋れないようなら、私から事情を話すから」
「事…情? ハッ……。魔術師が……そって来て…、、、、傷を治し……死にか…、…したってか…?」
「ふふっ。もう無理して受け答えしなくていいかも。大丈夫、私はシスターなんだから。誰かに語りかけるのは得意なんだよ」
「…ハハッ。それは……心強い」
作り物の表情が、少しだけ崩れた気がした。相変わらず血は滴り続けていて呼吸も変だったが、この調子であればもうしばらくは大丈夫そうだ。
希望はまだある。禁書目録の知識を使えば、どんな素人でも正確に魔術を使用することが出来る。彼女にはその自信があった。
あと、目下の問題といえば……
「ここからどう移動すれば……?」
「……フッ。それこそ…大丈夫……だにゃー…」
「えっ? どういうことかな?」
「簡単な…話………ぜよ」
赤く染まった少年はそう言うと、首をぎこちなく横に動かして表の路地の方へ向ける。釣られて白い少女も通りの方を見る。
先ほどまで彼らがいたマンションの周りは大騒ぎになっていた。消防車が出動し、盾を構えた武装警官が何人も並び、多くの野次馬が集まっている。
おそらくさっきの魔術戦の後遺症というか、その影響なのだろう。魔術など知らない学生が戦闘を火事と勘違いして連絡していても不思議ではない。
これではここから移動することさえ満足に出来そうも無い。しかし、少し辺りを見渡してみると彼の発言の意味が何となく分かってきた。
「あっ。あの人は確か…」
「……ほら、お人好しが来たぜい」
どうやらこの街にはお人好しが沢山いるらしい。
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