過去ログ - 土御門「忘れたかにゃー、インデックス。オレって実は天邪鬼なんだぜい」
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85: ◆sk/InHcLP.[saga sage]
2011/12/31(土) 23:41:25.47 ID:jr7xRC6w0

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「……行っちゃった」


一人呟くのはインデックスと名乗る銀髪碧眼の少女だ。先ほどこの街で世話になった少年とその妹と別れたばかりだった。
別れと言えるほど形式めいたものではなく、相手側が嵐のように去ってしまったのだが。突然すぎてびっくりしてしまった。
とにかくそういう訳で、今はまた独りぼっちになってしまった。ここ一年、記憶がある限りの時間ではずっと一人だった。
しかし、こうして人と触れ合った後に別れるとなかなか寂しいものだ。触れ合った分余計に、かもしれないが。


「私も……行かなきゃ。逃げなきゃね」


でも、自分は一人でいなければ。この呪われた運命に他の誰も巻き込まないようにしないと。それが責任であり、誓いだ。
例え自分が死ぬより辛い目に遭おうとも、この知識だけは守ってみせる。この情報だけは、誰にも見せずに生き抜いてみせる。
決して、この汚染を広めてはならないのだ。だから、少女は逃げ続ける。おそらく、これから一生をかけて。


「さよなら、もとはる。もう会わない方がいいんだけどね…」


思わず口から漏れる弱気な言葉。それは、口をついて出てきた本音という弱さ。
駄目だ。この感情だけは押し殺さなければ。この甘えだけは拭い去らなければ。
崩れ落ちそうな心を忘れようと、少女は銀色の髪を左右に揺らしながら駆け出す。
自らの頭の上に一年間乗っていた、白い布地の存在のことも忘れて。



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