100: ◆tUNoJq4Lwk[saga]
2011/12/15(木) 19:50:18.02 ID:V/USX/oVo
播磨が黙ると、霧島は左手首につけた腕時計を見る。
「そろそろ時間だな」
「今日は、スンマセン」
「いや、いい。俺も少しは気分転換になった」
「そうなんですか?」
「このことは内密に頼むぞ」
「わかってます」
「まあ、何かあったら知らせてくれ。見滝原署の霧島と言えばわかる」
「ハイ」
「それじゃ、まだ聞きこみが残ってるんで」
「ありがとうございます」
播磨は立ち上がり、軽く頭を下げた。
霧島も立ち上がると、スッと風のようにその場から去って行った。
「巴マミか」
霧島のいなくなったベンチで、播磨は座ったままその名前をつぶやいた。
「ああ、いかんな」
放課後に全力で自転車をきご、そしてあまり使わない頭をフルに使い身も心も疲れてしまった播磨は、
しばらく公園のベンチでボーッとすることにした。
気力の回復を待ってから家に帰ろう。
そんなことを考えながら、ベンチで俯いていると、見覚えのある黒いタイツの足元が視界に入ってきた。
「播磨さん?」
「暁美か」
見滝原の制服に身を包んだ暁美ほむらがそこにいた。
手には学校のカバンの他に、スケッチブックを抱えている。
つづく
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