307:年末スペシャル ◆tUNoJq4Lwk[saga]
2011/12/25(日) 20:07:38.57 ID:GEEMDRZko
あれは俺が入学してすぐのことだった。
まだ学校の並木に桜の花が残っていたころなんだが。
「うんうん、それでそれで?」
「回想シーンに出てくんなさわ子!」
その日、朝市で他校の生徒に絡まれて、十数人ほどボッコボコにして学校に行ったんだ。
当然、そんなことをしてるから遅刻だわな。
俺は、生徒のほとんどいない学校の敷地内を歩いていた。
そしたら、
「ん?」
一人の女子生徒がいた。
「おやおや、キミも遅刻かな?」
「なんだ?」
その女子生徒は、俺の外見も気にすることなく気さくに声をかけてきやがった。
「いやあ、私もちょっと遅刻しちゃった。今日は憂が早めに学校行っちゃったから、
つい二度寝しちゃってねえ」
「……」
憂って誰だ?
なんて答えていいのかわからなかった俺は、じっと黙っていたら、彼女は不意に何かに気づいたようで、
鞄からハンカチを取り出した。
「どうした」
「動かないで」
少女は言う。
「ん?」
素早く近づいた女子生徒は、手に持ったハンカチでそっと俺の口元を拭く。
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