343:年末スペシャル ◆tUNoJq4Lwk[saga]
2011/12/25(日) 21:02:26.94 ID:GEEMDRZko
第六話 人の噂も七十五日?
うっとおしい雨の季節も終わりと告げようとしていた
季節はもうすっかり夏だ。
一学期という時期は本当に早く感じる。
「夏休み、楽しみだな。澪」
田井中律は、隣を歩く親友の澪にそう話しかける。
「そうだな。それより、テストのほうは大丈夫か?」
「あたしは問題ないけど、唯がねえ……」
ふと、律の視界に見覚えのあるガタイの大きな男子生徒の姿が目に入った。
(播磨だ)
そう思った律は声をかけようとする。
しかしそのとき、
「播磨くん」
「え?」
「おはよう播磨くん」
「おう、おはよ」
律よりも先に声をかけたのは、なんと澪のほうだった。
男嫌いで有名だったあの澪だ。
「調子はどうかな」
「ん、まあまあよ……」
決して無理しているという感じではなく、自然に話しかけている。
(随分仲良くなったもんだな)
ふと、律は友人との距離が遠くなったような気がした。
「律?」
「ん?」
澪が振り返り、こちらの様子を見ている。
「どうした」
「いや、なんでもない」
そう言うと律は早足で播磨の隣に行き、彼を挟むようにして一緒に学校へと向かった。
*
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