452: ◆tUNoJq4Lwk[saga]
2012/01/01(日) 18:27:00.66 ID:+2IXjtNko
「それって、どういうことですか?」
夜の部屋の中で播磨が受話器に向かって聞く。
『正確に言うと、佐倉杏子は六年前に死んだ少女の名前だ』
「……」
『俺がこの街に着任する以前の話なので、詳しいことはよくわからないのだが」
「はあ」
『六年前、この街にある新興宗教の教会の一つが火事で焼失した。
出火原因はよくわかっていないのだが、精神に異常をきたした
その教会の教祖が自ら火を放った、というのが有力な説だ』
「火事か……」
『焼け跡からその教会に住んでいたと見られる家族の遺体が見つかった』
「それが、佐倉杏子の家族と……」
『そういうこと。佐倉杏子はすでに死んでいる。彼女に一体何があるんだ?』
しかし、播磨は霧島の質問に直接は答えなかった。
「……本当にそうなんですか?」
『どういうことだ?』
、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、
「本当に佐倉杏子は死んだんですか?」
『ああ、資料では死亡が認定されている』
霧島との電話での会話を終えた後、播磨はベッドの上に寝転がった。
ぼんやりと天井を見つめ、少し考える。
(佐倉杏子は死んでいる)
暗がりの中であった赤い髪の少女の顔を思い出す。
(じゃあ、俺が会ったあの少女は一体なんなんだ?)
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