525: ◆tUNoJq4Lwk[saga]
2012/01/06(金) 19:48:09.36 ID:9e1wVLifo
侑子は播磨の全身を眺める。
「その鞄の――」
「!」
「中に入っている物をいただこうかしら」
「いや、これは……」
播磨が持っている鞄に入っているもの。それはついさっき編集長に突き返された自身の漫画の原稿であった。
「これはちょっと……」
「そう? じゃあ交渉は不成立ね」
(どうする? 俺)
播磨は心の中で自問自答する。
(どうせ日の目をみることのない原稿だ。だったら人に渡せば。いや待て。ボツ原稿を人にあげるなど、
こんな恥ずかしいマネをしていいのか。ネットにアップされてバカにされたらどうする!)
播磨の中にいる色々な播磨が色々と意見を言っていたけれど、結局――
「わかった……」
播磨は自身の原稿を侑子に渡した。
「ふふ、交渉成立♪」
侑子は嬉しそうに、原稿の入った封筒を受け取るのだった。
つづく
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