594: ◆tUNoJq4Lwk[saga]
2012/01/15(日) 19:51:20.25 ID:EP0D5twCo
ほむらにとって、学校生活がこれほど疲れるものだとは思わなかった。
既に始業式から一週間以上経っており、学年はじめのオリエンテーリングなども終わって
いるので、いきなり授業を受けなければならない。
入院生活が長かったため、授業について行くのも必死だ。
そして何より、体力がついていかなかった。
体育の授業はあえて受けて見たけれど、グラウンドを一周走っただけで息が上がってしまい、
とても何かをやれる状態ではない。
授業が終わり、帰宅するころにはもうクタクタであった。
何人かの生徒が、帰りにどこかへ寄って帰ろうと誘ってくれたけれども、ほむらは丁重に断る。
何か用があるというわけではなく、とにかく疲れてしまい何もする気が起こらなかったのだ。
(あ、しまった……)
しかし学校の帰り、まだ新しいスケッチブックを買っていないことを思い出す。
彼女の趣味は絵を描くこと。
退屈な入院生活の中で、唯一楽しめることであった。
(どうしよう)
家に帰ってからまた買いに出かける余裕などない。
ならばここは少々辛くても、買って帰ろう。
そう思ったほむらは、疲れた体を叱咤しつつ、駅前の文房具店に足を向けた。
さすがに家の近くのコンビニでスケッチブックは売っていないからだ。
(ああ、早く帰って休みたいな)
そんなことを思いながら、重い足取りで彼女は道を歩く。
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