94: ◆tUNoJq4Lwk[saga]
2011/12/15(木) 19:42:02.55 ID:V/USX/oVo
霧島と名乗る刑事は、ヨレヨレのスーツとシャツ、そして無精ひげというあまり清潔感があるとは
思えない姿をしていた。
にもかかわらず、播磨の目にはその姿がなんとなく様になって見える。
なんというか、シワクチャのワイシャツですら、彼の引き締まった体躯にはよく似合って見えたのだ。
まるで、映画『セブン』に出ていたブラットピットのようでもある。
播磨は霧島とベンチに座った。
時間がないという霧島のためにも、早めに話をしなければならない。
「聞きたいとことはなんだ?」
霧島は鋭い目つきで播磨の姿を観察するように見ながら聞いてくる。
「少し前に起こった、女子中学生の失踪事件についてなんですが」
「あれか……」
ふと、霧島は遠くを見つめる。
その視線の先には、小学生らしい子供たちがボール遊びをしている風景があった。
「たしか名前は、瀬川……」
「瀬川絵里14歳。見滝原中学の当時2年生だ」
「……」
「友人たちと別れ、家に帰ろうとしたその途中で行方不明となった」
そこまでは播磨が新聞で読んだものと同じである。
「周囲の目撃情報とかは」
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