過去ログ - 女勇者「頼む、仲間になってくれ!」黒騎士「報酬はいか程で?」
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2011/12/13(火) 22:24:01.83 ID:AxU752QU0


その日、『西の王国』の都は、各地から訪れた数多くの騎士たちの為にごった返し、常以上のにぎやかさを見せていた。
騎士たちは皆、綺麗に着飾って、自身の従者、従僕にも、いつもとは違うとっておきの一張羅を着させていた。
宿という宿はこうした騎士たちや、その従者達で悉く満員であり、酒場は昼からこうした来客達の宴で盛り上がっていた。

明日、「馬上槍試合(トーナメント)」が、この都にて開催されるのである。

「馬上槍試合」とは、その名の通り、騎乗し、武装した騎士たちによる武芸試合の事である。
その形式には幾つかの種類が存在するが、だいたいは以下の様な代物である。

出場する騎士たちは規定時間内、特定の試合場で、2つ、あるいは幾つかのチームに別れて対戦し、
時間が終了した時にチームの残り数が多かったチームを勝者とする。
勝者は、主催者――多くの場合は王より褒美を賜り、名誉を得、時には麗しきご婦人がたの寵愛を得る事も出来るのである。

尚、名前には「馬上槍試合」とあるが、武器は槍とは限定されず、剣やこん棒が使われる事も多かった。
そして、使われる武器は、必ず殺傷力が無い様に特別に作られた物が使用された。
それでも、怪我人は数多く、時には死者すら出る事もあったが、血気盛んな騎士の祭典である、さほど気には留められてはいなかった。

諸侯同士のいさかいを平和的に解決する手段として、あるいは祝祭の一環として、
はたまた戦争の大規模な演習として開催され、今回の場合は祝祭の一環であり、
飛び入り歓迎、乱入者歓迎の、実に自由で大規模な「馬上槍試合」で、
名のある諸侯や騎士のみならず、所領を失った牢人騎士、武者修行中の遍歴の騎士、
特定の主に仕え無いフリーランスの傭兵騎士と言った、海千山千有象無象の騎士たちが参加する、
数ある「馬上槍試合」の中でも特に大きく、そして名誉ある代物であった。
騎士たちは、名誉、報酬、を求め、あるいは単純に自身の名を挙げる為に都の集っていた。

さて、そんな街の賑やかな様子を尖塔の上より眺める一人の男が居た。
この『西の王国』の王である。その傍らには、彼の側近である大臣が控えている。

西の王「フフフ……中々の盛況ぶりではないか」
大臣「はは。真に。これだけの騎士が集うとは。王の威名の為せる技でしょう」
西の王「当然だ。わし自らの主宰した馬上槍試合よ。人の集まらいでか」



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