過去ログ - 御坂妹「……代理演算……ですか?」
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17:たくみ
2011/12/22(木) 17:40:10.06 ID:z9cn91yIO
それでも彼は立ち上がる。
地面に足を付け、まるで足の裏から根が生えているかのように。
こちらに背を向け、まっすぐに相手を見据えながら。
少年が叫ぶ。
18:たくみ
2011/12/22(木) 17:40:42.00 ID:z9cn91yIO
彼が白衣を着た中年男性に飛びかかかるところで映像はブラックアウトする。
御坂妹は閉じていた目を開けた。目に映るのは先ほどより暗くなった病院の廊下と、これまた磨き上げられている床に映る自分の顔。
先ほどより心の内をめぐる感情の数は増えていた。同極の磁石のようにそれらは反発し、彼女の内部を刳り、傷つけていく。
19:たくみ
2011/12/22(木) 17:41:18.76 ID:z9cn91yIO
冥土帰しは妹達の『受難』を知っているはずだ。一方通行の圧倒的な陵辱を受けていたことを。道具にされてきたことを。一方通行に対していい感情など持ち合わせてないことを。
その上でなぜ彼は妹達に代理演算を打診した?まさか昨日の件で妹達が彼を許したとでも思ったのか?
そしてなぜ、あの医者は一方通行を助けた?あの殺人鬼を助けてどうにかなるのか?生きているより死んで命を償った方がまだマシに思える。
20:たくみ
2011/12/22(木) 17:41:59.82 ID:z9cn91yIO
一方通行の行動も疑問だ。
あの時、右手を離してさえいれば彼は助かっていたはずだ。一番単純な反射を機能させていれば、ものの一秒もかからずに済んだ話だ。
ウィルスコードの起動など、彼が手を降るだけで、幼女の命の消滅と共に解決する話だ。あの幼女に愛着があったのだとするなら、また作ってしまえばいい話だ。
どうせボタン一つで我々は作れる単価十八万の存在なのだから。
21:たくみ
2011/12/22(木) 17:42:31.42 ID:z9cn91yIO
だからこそ。
御坂妹の心は波立ち、収まることがない。
心臓の鼓動が早い。体の中の血管の収縮運動が感じられる。動悸が激しい。
立つこともままならなくなり、御坂妹はその場に座り込んでしまう。スカートが捲り上がり、
22:たくみ
2011/12/22(木) 17:43:10.11 ID:z9cn91yIO
ふぅ、と。
彼女は息を吐き出す。数時間ぶりに呼吸をした気がした。肺の中の空気が循環する。初めてのこの場の空気が淀み、蒸されていることに気づいた。
それを自覚した途端、汗が噴き出す。
内の不快感を外の不快感が上回った。
23:たくみ
2011/12/22(木) 17:43:48.10 ID:z9cn91yIO
すいません
>>1は
今から飛行機に乗るので、投稿が出来ません
羽田に着き次第、投稿を再開します
24:SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)[sage]
2011/12/22(木) 18:03:04.77 ID:LeTPCwJA0
乙です!
投稿は自分の早さで頑張ってください
続き期待してます
25:SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)[sage]
2011/12/22(木) 19:25:39.77 ID:OTWmHeeAO
乙
このSSの御坂妹は原作より人間らしいな
26:たくみ
2011/12/22(木) 22:13:15.63 ID:SM1L1K9IO
ホテルに無事着いたので続きを投下します
27:たくみ
2011/12/22(木) 22:14:03.44 ID:SM1L1K9IO
LEDの電球が細かい明滅を繰り返しながら、点灯する。目に入るのは何も変わらない自分の病室。
壁にはめ込まれた様々な医療機器に、最新のベット。天井に備え付けられた薄型テレビに、机の上に綺麗に畳まれた病院着。
昼間、看護婦に呼ばれてこの部屋を出た時と、何一つ変わっていない自分の病室。部屋を冷やす業務用の冷房の音だけが低く唸る。
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