過去ログ - 結衣「ちなつちゃんに笑ってほしい」
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7: ◆qvIZyIvV7w[saga]
2011/12/21(水) 22:39:55.71 ID:EN9JwbNT0
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その日はそれ以上なにも変わったことなんてなくって、いつものとおりの部活
(というかただの遊び)が始まって。ちなつちゃんも変わった様子はなく、けれど
8: ◆qvIZyIvV7w[saga]
2011/12/21(水) 22:43:44.93 ID:EN9JwbNT0
ぼんやりそんな声を聞きつつ、ぬるいお茶に口をつける。
今日は少し、いつもより苦い気がした。
それでもごくんとそれを身体に流し込むと、私はコップ越しにまた、ちなつちゃんの
横顔をじっと見詰めて。
9: ◆qvIZyIvV7w[saga]
2011/12/21(水) 22:46:31.34 ID:EN9JwbNT0
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帰り道。
後ろを歩く一年生組を気にしながら、私はこそっと京子に話しかけた。
10: ◆qvIZyIvV7w[saga]
2011/12/21(水) 22:48:42.66 ID:EN9JwbNT0
私はこの期に及んでも、京子に本当のことを言えなかった。
京子は「なんだよー」と突いてくるけれど、それ以上なにかを聞いて来ようとは
しなかった。無理矢理聞いてくるような奴じゃなくて良かったとこういうときになって
思う。
11: ◆qvIZyIvV7w[saga]
2011/12/21(水) 22:49:22.60 ID:EN9JwbNT0
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結衣「……んー」
12: ◆qvIZyIvV7w[saga]
2011/12/21(水) 22:49:50.06 ID:EN9JwbNT0
◆
翌日の放課後、まるで図ったかのように部室にはちなつちゃんしかいなかった。
ドアを開きかけて思わず止めてしまったのは、またちなつちゃんの後姿が
見えたから。
13: ◆qvIZyIvV7w[saga]
2011/12/21(水) 22:51:47.90 ID:EN9JwbNT0
それならちなつちゃんが元気ないとすれば、どんなことをしてあげるのが一番かな。
あかり『……えーっとね』
きょとんとしながらもあかりは、「なんでも」と答えた。
14: ◆qvIZyIvV7w[saga]
2011/12/21(水) 22:52:20.67 ID:EN9JwbNT0
ちなつ「……えへへ、結衣先輩」
びくっとした。
突然名前を呼ばれて、ちなつちゃんが起きてるのかと思ったけれど、
覗き込んだ横顔はちゃんと眠っている。
15: ◆qvIZyIvV7w[saga]
2011/12/21(水) 22:53:19.47 ID:EN9JwbNT0
結衣「……もふもふ」
ちなつちゃんの柔らかい髪に埋もれる、そっと伸ばした手。
あたたかいし、気持ちいい。
ちなつちゃんの温かさだな、なんて柄にもないことを思って赤面したくなる。
16: ◆qvIZyIvV7w[saga]
2011/12/21(水) 22:55:00.23 ID:EN9JwbNT0
なに考えてんだろ、自分。
ぼんやりそう思った。
いつのまにか、ちなつちゃんの寝顔を見詰めていると自分まで眠くなってきてしまい、
うとうとと頭が傾き始める。
17: ◆qvIZyIvV7w[saga]
2011/12/21(水) 22:58:11.27 ID:EN9JwbNT0
ちなつ「えへへ……すみません、寝ちゃってて」
それからすぐに、ちなつちゃんは恥ずかしそうにはにかんで。
私は「ううん」と首を振りながらそっとちなつちゃんから目を逸らした。
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