過去ログ - 続・垣根「友達が欲しいんだが」
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2:SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)[sage saga]
2011/12/22(木) 02:17:52.62 ID:se/IE0uI0





ある日の、ある場所での出来事だった。





コツン、コツンと、靴の底板が乾いた音色を通路に響かせる。

窓も無い為に、外の様子一切を窺えない廊下を、大して明るくもない電球だけがポツリポツリと照らしていた。
そのほのかな光を浴びながら影は悠然と歩を進める。


足音の発信源、前に後ろに伸びる影の根には、明るめの茶髪を肩まで垂らした少年が一人。

鋭く釣りあがった双眸。僅かに靡くジャケットの裾。黄ばんだような灯りに浮かび上がる端整な顔立ち。一筋に結ばれた口元。
着崩したスーツとも学生服とも言えぬ装いは見事に着こなされて、ズボンのポケットに両手を突っ込む少年の姿は成る程、とても絵になっている。

彼は特別急ぐそぶりもなく、歩を進める様子に淀みはない。
一切の迷い無い足取りで少年は行く。


長らく放って置かれていたのだろう、薄暗い廊下はまるで廃墟のような雰囲気を醸し出している。
その左右に油断無く配られる彼の視線は、警戒しているにしてはどこか懐かしげなものだった。




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