過去ログ - 続・垣根「友達が欲しいんだが」
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7:SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)[sage saga]
2011/12/22(木) 02:38:24.57 ID:se/IE0uI0


その理由は至極単純で、垣根帝督はこの少女に感謝――――という言葉を彼自身決して使いたがらないだろうが――――、そう、間違いなく感謝しているからだった。


垣根帝督が望んだきっかけ。そして燻っていた種火に風を送り込み、強く燃え上がらせる突端を作った者こそ目の前の少女『心理定規』。
認めはしないが、事実としては受け入れよう。彼女いなくば垣根帝督は、恐らく今も暗部に沈んでいる。


だから彼は、他からなら歯牙にもかけなかった筈の誘いにも乗った。

きな臭くも一方的に退職した元職場にのこのことやって来ているのは、彼自身の能力への自信の表れでもあったが同時に少女への敬意でもある。
その程度には、彼は『心理定規』に一目置いていた。そして、彼女の事が決して嫌いではなかった。


しかし掛け値なしの感謝を向ける程までには、彼から少女への感情は芳しく無い。
むしろ、だからこそ付けるべきけじめというものもある。少なくとも彼はそう感じ、そう考えていたから、彼は今この場を訪れている。


そんな彼の内心を見透かすかのように少女がふわりと笑った。

ハンカチはいつの間にかどこかにしまったようで、両手に持ち直していた本がパタリと閉じる音を立てた。二度目の音である。
それに込められたのは、話の一区切りの意。少女はこんな小洒落たような演出が好きだった。




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