62:SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)[sage saga]
2011/12/23(金) 03:27:51.17 ID:c4Axoe8J0
矢も盾もたまらず、マミはあきの携帯に電話をかけてみた。
だが、電源が切れているのか、やはり繋がることはなかった。
(お家の方にかけてみようかしら)
63:SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)[sage saga]
2011/12/23(金) 03:29:06.62 ID:c4Axoe8J0
マミがマンションに帰り着くのと、雨が降り出したのはほとんど同時だった。
「おかえり。遅かったんだね、マミ」
真っ暗な部屋の中から、いつもと変わらないキュゥべえの声がした。
64:SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)[sage saga]
2011/12/23(金) 03:30:43.38 ID:c4Axoe8J0
「どう、と言われても……」
マミの応えはどこか歯切れが悪かった。
「もし、あの魔女がここ最近の一連の事件の元凶だったとしたら、もう一件落着のはずだ。だって、佐倉杏子が倒してしまったんだからね。にも関わらず、今朝、また同じような事件が起こった。となると、考えられる可能性は二つしかない」
65:SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)[sage saga]
2011/12/23(金) 03:31:38.47 ID:c4Axoe8J0
マミがきつい口調でそう言うのを聞いて、キュゥべえはまた意外そうに言った。
「どうしたというんだい、巴マミ。確かにこれは僕の推測に過ぎないけれど、一連の事件に終止符を打つための大きな手がかりになるかも知れないじゃないか。なぜそんな無碍に否定するんだい」
「別に……否定するわけじゃないのよ。でも……」
66:SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)[sage saga]
2011/12/23(金) 03:32:21.67 ID:c4Axoe8J0
(でも、この子は私と一緒にいつも戦ってくれている……。隠し事なんて、すべきじゃないわ)
マミは最終的にそう考え、口を開いた。
「夕方、病院に行ったの。今朝救急車で運ばれていった女の子に話を聞くために」
67:SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)[sage saga]
2011/12/23(金) 03:32:58.06 ID:c4Axoe8J0
マミは答えなかった。
俯いたまま、何か考え事をしている。
それを見て、キュゥべえが理解できないといった口調で問いただしてきた。
68:SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)[sage saga]
2011/12/23(金) 03:33:46.23 ID:c4Axoe8J0
あきの母親が電話で伝えてくれた話によれば、5月のある日、いつになく沈んだ表情であきが帰宅したのだという。
「家の中がこの頃うまくいっていないから、きっとそのせいだと初めは思ったの」
69:SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)[sage saga]
2011/12/23(金) 03:34:42.21 ID:c4Axoe8J0
「なるほど。君の様子がおかしかったのはそういうわけか」
突然背後からキュゥべえの声がして、マミは驚きのあまり声をあげた。
「キュ、キュゥべえ!いきなり話しかけないでよ!びっくりするじゃない!」
70:SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)[sage saga]
2011/12/23(金) 03:35:25.43 ID:c4Axoe8J0
そんなマミの内心を知ってか知らずか、淡々とキュゥべえは言葉を続ける。
「君たちは文字を左から右に書くだろう?マミのノートも見せて貰ったことはあるけれど、ページがそんなに薄汚れたりはしていなかったはずだ。それは君が右手で文字を書くからだよね。でも、もし左手で書く人間だったら、必然的に文字は自分の手で擦られて、ページ全体が汚れてしまうだろう」
キュゥべえは耳の先でノートを指した。
71:SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)[sage saga]
2011/12/23(金) 03:36:32.11 ID:c4Axoe8J0
「……ねえ、キュゥべえ」
やがてマミは口を開いた。
「教えて欲しいの。魔女は……魔女は、いったいどうやって生まれるのか」
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