過去ログ - マミ「杏子……」
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66:SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)[sage saga]
2011/12/23(金) 03:32:21.67 ID:c4Axoe8J0
(でも、この子は私と一緒にいつも戦ってくれている……。隠し事なんて、すべきじゃないわ)

 マミは最終的にそう考え、口を開いた。

「夕方、病院に行ったの。今朝救急車で運ばれていった女の子に話を聞くために」
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67:SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)[sage saga]
2011/12/23(金) 03:32:58.06 ID:c4Axoe8J0
 マミは答えなかった。

 俯いたまま、何か考え事をしている。

 それを見て、キュゥべえが理解できないといった口調で問いただしてきた。
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68:SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)[sage saga]
2011/12/23(金) 03:33:46.23 ID:c4Axoe8J0


 あきの母親が電話で伝えてくれた話によれば、5月のある日、いつになく沈んだ表情であきが帰宅したのだという。

「家の中がこの頃うまくいっていないから、きっとそのせいだと初めは思ったの」
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69:SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)[sage saga]
2011/12/23(金) 03:34:42.21 ID:c4Axoe8J0
「なるほど。君の様子がおかしかったのはそういうわけか」

 突然背後からキュゥべえの声がして、マミは驚きのあまり声をあげた。

「キュ、キュゥべえ!いきなり話しかけないでよ!びっくりするじゃない!」
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70:SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)[sage saga]
2011/12/23(金) 03:35:25.43 ID:c4Axoe8J0
 そんなマミの内心を知ってか知らずか、淡々とキュゥべえは言葉を続ける。

「君たちは文字を左から右に書くだろう?マミのノートも見せて貰ったことはあるけれど、ページがそんなに薄汚れたりはしていなかったはずだ。それは君が右手で文字を書くからだよね。でも、もし左手で書く人間だったら、必然的に文字は自分の手で擦られて、ページ全体が汚れてしまうだろう」

 キュゥべえは耳の先でノートを指した。
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71:SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)[sage saga]
2011/12/23(金) 03:36:32.11 ID:c4Axoe8J0
「……ねえ、キュゥべえ」

 やがてマミは口を開いた。

「教えて欲しいの。魔女は……魔女は、いったいどうやって生まれるのか」
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72:SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)[sage saga]
2011/12/23(金) 03:37:20.46 ID:c4Axoe8J0
「いや、それはないだろうね」

「え?」

「確認するけれど、君のその友人は、この見滝原の住人なんだね?マミ」
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73:SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)[sage saga]
2011/12/23(金) 03:38:16.25 ID:c4Axoe8J0
「僕の推測はこうだ。始まりの魔女はおそらく、昨日佐倉杏子に倒された奴だろう」

「始まり……?」

「そうさ。昨日の魔女がどこからやってきたのか、僕には分からない。だけど、マミ、僕たちがこれから倒さなくてはならない魔女がどうやって生まれたかなら想像がつく。あれは、昨日の魔女が産み落とした使い魔が成長したものだ」
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74:SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)[sage saga]
2011/12/23(金) 03:39:12.77 ID:c4Axoe8J0
「ど、どうしてって……。そんな嘘、つく必要ないじゃない……」

「どうだろうね。ただの家出だと思っているとしたら?人間というのは、身内のそういう行動を隠したがるものじゃないのかな」

「そ、そんなこと……」
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75:SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)[sage saga]
2011/12/23(金) 03:39:48.89 ID:c4Axoe8J0
 マミは返事をしなかった。

 わずかに俯いたまま、何もない虚空をだだ見つめている。

「……?どうしたんだい、マミ。準備はいいのかい」
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76:SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)[sage saga]
2011/12/23(金) 03:41:16.82 ID:c4Axoe8J0

 
 崩れ落ちた壁や屋根の隙間から、雨風が容赦なく入り込んでくる。

 佐倉杏子はかろうじて濡れずに済む場所に腰掛けて、かつて父親のものだった教会の中を見渡していた。
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