9:SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)[sage saga]
2011/12/23(金) 02:21:35.39 ID:c4Axoe8J0
「あったわ。小さく記事になってる」
見滝原市立図書館の閲覧室で、マミは一人目の生徒の自殺を報じた新聞記事を見つけた。
「『……10日朝9時頃、見滝原市のショッピングセンター△△の屋上で、少女が血を流して倒れているのを警備員が見つけた。倒れていたのは見滝原中学2年のSさん(14)で、すぐに病院に運ばれたが既に死亡していた。少女の右手首には切り傷があり、警察では自殺を図った可能性もあるとみて捜査を進めている……』ですって」
「どう思う?」
「同じ魔女が関係していることはほぼ間違いないでしょうね。場所こそ違うけれど、どちらも建物の屋上で手首を切るっていうやり方が同じだもの。それにしても……」
マミは新聞を畳み、替わりに地図を取り出した。
「ずいぶんと奇妙だわ。どうして部屋の中じゃなくて、わざわざ屋上におびき出してそんなことをさせるのかしら」
「どうしてだろうね。それは魔女に聞いてみないと」
「え?」
「いや。それはともかく、少しだけ手掛かりを得たってことになるのかな?」
「どうかしら。これだけじゃまだ、雲を掴むようなものよ」
地図を指さしながらマミは言った。
「いい?見滝原中学の場所がここ。で、一人目の子が死んでたショッピングモールというのがここなの。直線距離で言っても1キロ以上離れているわ。これじゃとても魔女の居場所を割り出す事なんてできない」
「魔女は移動しているのかな」
「だとしたら、そうとう逃げ足の早い相手ね。今日私たちが屋上に行ったときにはもう、気配の痕跡さえ感じられなかったんだもの」
「でも、もし遠く離れた場所から二つの事件を起こしたのだとしたら、それはそれで手強い相手だよ、マミ」
「ええ、分かってる。いずれにしても、これ以上は魔女の居場所を知る手がかりはなさそうね」
マミは立ち上がった。
「当面は、地道にパトロールするしかないみたい。かなり広い範囲を警戒しなくちゃいけないけど……」
「……」
「?どうしたの、キュゥベえ」
「……何でもないよ。とりあえず他に方法はなさそうだね。うまく使い魔でも見つけられるといいけれど」
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