10:SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)[sage saga]
2011/12/23(金) 02:23:12.58 ID:c4Axoe8J0
図書館から出ると、雨はますます激しくなっていた。遠くからは微かに雷の鳴る音も聞こえてくる。
「ひどい雨……。キュゥベえ、魔女も気になるところだけど、今日のところはひとまず家に帰りましょう」
マミは制服のスカートの裾をひらひらさせながら言った。
「この雨じゃ、こんな格好であまりうろうろするわけには行かないもの」
「君にまかせるよ、マミ」
「向こうの道を通れば、屋根があるわ」
そう言うとマミは、歩いて5分ほどの距離にある商店街のアーケードの方角に歩き始めた。
(魔法少女なんていっても、雨から身を守ることさえ自由には出来ないなんてね)
マミは心の中でそう呟きながら苦笑いした。
もちろん魔法を使えば、雨よけのシールドを作り出すことなどたやすい。しかし、そんなささやかな術であってもソウルジェムを濁らせるとあっては、迂闊に魔力を使うわけには行かなかった。
(何をするにも代償、代償……。どこまでだって飛んでいける羽根を持っているのに、籠に閉じこめられてしまった小鳥のようなものね)
商店街の入り口で傘を畳みながら、マミは暗い空を見上げた。
(あき。魔法少女なんて、所詮こんなものよ。あなたが知ったらきっとがっかりするんでしょうね……)
「マミ!」
その時、キュゥベえが突然心の中に話しかけてきた。
「気配を感じるよ。このすぐ近くだ」
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