過去ログ - 美琴「今日も平和ねぇ」一方「あァ」上条「だな」
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42:SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)
2011/12/25(日) 11:15:53.65 ID:cPaekyeS0


彼は抱き締められたまま数秒固まり、それから先程とは比べ物にならないくらい顔を火照らせて

「おおおオマエなにしてやがる……っ!」

振り払おうともがこうとされて、さらに美琴は強く抱き締めた。

「だって……!」

少女は悲鳴のような声をあげる。

「だって、あくせられぇた、なきそうなかおしてるんだもん……!」

その言葉が、やけに心に突き刺さって。
衝撃波のように、体を貫いた。
少女の体を押し退けようと振り上げられた右手がだらんとおろされる。
ありえない、とでもいうように目を大きく開けた一方通行は、美琴にとってただの弱い少年にしかみえなかった。
異端でも化け物でもなく、普通の、人間。
だから言う。だから叫ぶ。
この少年が、立ち直れるように。
この少年が、救われるように。

「俺、が……泣きそう?」

「そうだよ!すごく、すごくかなしそう!」

「……悲しい……」

少女の無垢な叫びを、震える声で彼は繰り返した。

「ままがね、かなしそうなひとはだきしめてあげなさいっていってたの。だからだきしめるの。それからね

 ――ないていいんだよ、って、いってあげたらいいんだって」

「・・・・・・ッ」

ないていいんだよ。

少女は、今、そう言ったのか?
自分みたいな化け物が。
普通の、人間みたいに。
寂しいときに、
悲しいときに。

――泣いても。

限界だった。
一方通行の瞳から、ぽろぽろと涙が零れ落ちる。
美琴はさらにぎゅう、と抱きしめた。

「い、いいのかよォ・・・・・・、俺、俺・・・・・・っ」

「いいの!あくせられぇた、だいじょうぶ。ないていいの。いっぱい」

「う、ぐ・・・・・・っ、なンで、なンで・・・・・・っ、皆俺から離れていくんだよォ・・・・・・。
 
 近づいただけで、なのに、なンで・・・・・・っ!

 別に、何もしてないのに・・・・・・っ。

 俺は、ただ、また――」





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