過去ログ - 美琴「今日も平和ねぇ」一方「あァ」上条「だな」
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41:SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)
2011/12/25(日) 11:13:26.24 ID:cPaekyeS0

少女は立ち上がって、それから自己紹介をした。

「わたし、みさかみことっていうの。あなたは?」

「……一方通行」

「あくせられぇた?」

変な名前だね、と少女は無邪気に指摘した。
一方通行はムッとなって

「本名じゃねェ」

「ふぇ?そうなの」

「能力名だ」

「のーりょく……なら、おなまえは?」

「……さァな。忘れちまった」

そうなの、と美琴と名乗る少女はそれ以上深追いしなかった。彼に気をつかったとかではなく、単に興味がなかったのだろう。一方通行は少し安堵した。
あまり、自分の本名について触れてほしくはない。それと同時に、過去の記憶がよみがえるから。

「……で、オマエはなンで泣いてたんだ?」

「ふぇ? 」

一方通行の問い美琴はしばし視線をさ迷わせて、

「……うう、その・・・・・・みんなが、いじめるから」

「……、」

泣きそうな顔になって美琴は言った。
自分がレベル2だということ、そのせいでいつも一人なこと、いじめまがいをうけていること。
一方通行は黙ってそれを聞いていた。
なまじ自分も同じような体験をしていたからか、想像がつきやすかった。
醜い嫉妬、それによる迫害。自分は何も悪いことをしていないのに。力がある。皆とは、そこしか違わないのに、それだけで。
少女が受けている迫害は、もしもっと少女がもっと力をつけたとき、それは恐れや拒絶にかわる。そのことを、彼は知っている。

――自分が、そうだったから。

そのとき、温かいものが自分の体を包んだ。優しく、まるで、母親のように。

「だいじょぶ?」

それをしたのは、幼い少女。
少女は見た。彼が、凄く悲しそうな、寂しそうな――泣きそうな、目をしていることに。
だから抱きしめた。
幼いながらにも、母性をくすぐられたからかもしれない。





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