165:>>1 ◆weh0ormOQI[saga sage]
2011/12/31(土) 00:22:38.08 ID:VImMrTW10
「学園都市に在住する、とある一般教師二十七歳の戸籍謄本、だぜい。名前に覚えは
……あるわけないか。お前は別に“彼ら”の先生でもなんでもなかったんだからな」
「ただな、アウレオルス。これだけはお前のお得意の錬金術でも歪めようのない現実だぜ。
この人は『あの日』、『あの場所』に居たってデータが、記録にしっかり残ってたんだ。
…………この意味、分かるよな?」
一歩引いた位置から土御門が冷静に、人畜無害の笑みを浮かべて肩を叩きながら上条が
嬉しそうに、代わる代わるアウレオルスに語りかける。
「十一年前のあの日、『三沢塾』に居たはずの“彼”は、俺たちが顔も知らないどこかの
誰かさんは、今だってちゃーんと生きてるんだ。この人、去年結婚して子供も生まれて
るんだぜ?」
「――――っ」
確たる『証拠』の存在を、頑固な錬金術師に思い知らせるために。
「さらにもう一つ、付け足しをさせてもらおうかな。哀れな錬金術師の行く末をこの十年
案じ続けていた奇特な精神の持ち主。僕はたったの一人だけだが知っている」
とうとう反論の術を見失ったアウレオルスに、ステイルもまた一枚のルーンカードを
手の内で弄びながら畳みかける。
「なに?」
「この向こうにたった今、“いる”ようだ」
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