過去ログ - とある神父と禁書目録
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191:>>1 ◆weh0ormOQI[saga sage]
2011/12/31(土) 01:10:20.95 ID:VImMrTW10


インデックスはステイルの首っ玉にしがみついて、至近距離からバーコードの直上の
眼差しを覗きこんだ。
瞳の色は、いつの日も自分を誠実に見つめてくれていた紅だった。
安心して胸に顔を埋めると長い吐息が聞こえる。


「…………やれやれだ」


諦観と、抑え気味の至福に染まった溜め息だった。
いつだってステイルの牙城を突き崩すのは自分の懇願なのだと実感して、インデックスは
癖になりそうな甘い幸福感に浸った。


「とうとう観念したようだぜい」

「ご愁傷さまです、ステイル……」

「いつもの“アレ”、いっとくか?」


不幸の権化のような黒髪の青年が、大切な家族の幸福を我がことのように受け止めて笑う。
第一の罹患者たる赤髪の青年は威嚇するように唸ろうとして、腕の中の柔らかい感触と
体温に毒気を抜かれた。


「………………………………………………だ」

「んんー? よく聞こえなかったぜステイルくーん? にじゅうよんさいにもなって
 相変わらずシャイボーイだよなぁ」


抜かれた毒気が肺から口腔に到達するまでに、一八〇度ベクトル変換された。
ステイルはその瞬間、天使にだろうが、悪魔にだろうが、眼前の主人公にだろうが胸を
張って誇ることができると、そう感じて――――吼えた。




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