過去ログ - とある神父と禁書目録
1- 20
366:>>1 ◆eu7WYD9S2g[saga]
2012/02/26(日) 21:55:37.27 ID:GFjxftzi0

「お初にお目にかかります、ミセス上条。インデックスの妹のローラ、と申しますわ」

「まあまあこれはご丁寧に。上条詩菜です、今後ともよろしくお願いいたしますね」


なんだその流暢な日本語は。
常日頃の馬鹿げた馬鹿の馬鹿口調はどこへいった。
手の甲をバシリと叩きこんでやりたい衝動を、ステイルは必死で堪えていた。

午後の二時に差しかかろうかというところだった。
聖ジョージ大聖堂のような美麗なステンドグラスこそ存在しないが、天窓から差す強い日差しが目に痛い。
バッキンガム宮殿に設けられた儀礼用の祭壇の前で、ステイルは苛立たしげに足を踏み鳴らしていた。


「……なあステイル。あの人、インデックスの前任者さんだよな? それがインデックスの妹って、どういうことだ?」

「今、僕に、そんなくだらないことで話しかけるな」

「くだらないってお前、その話が本当なら、あの人はインデックスの家族ってことじゃんか。俺にとっても義理の妹……っつーか、お前から見ても家族に」

「誰と誰が縁戚関係だアホの上条当麻ぁぁっ! 僕は今、君の与太話に付き合ってやる余裕なぞないんだよ!!」


ステイルの剣幕に、上条はすごすごと定められた自席へ帰っていく。
余裕がないのも当然だった。
なにせ現在、この即席の聖堂にはイギリス王室をはじめとした全世界の“お偉いさん”が大集合状態。
美観を損なうとして警備の者はことごとく外周に回され、今も会場の入り口で不審者や不審物の侵入に備えて厳重なチェックが行われている。
何かしらのトラブルが起きたらと思うと胃が痛んでたまらない。
加えて壇上で二人を祝福する司祭役は、よりにもよってロシア成教総大主教サマときている。
畏れ多いとかそういう問題ですらなかった。
ただひたすら、胃がジンジンと悲鳴をあげて止まないのである。



<<前のレス[*]次のレス[#]>>
422Res/296.80 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice