過去ログ - とある神父と禁書目録
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367:>>1 ◆eu7WYD9S2g[saga]
2012/02/26(日) 21:57:07.88 ID:GFjxftzi0

「だいいち、なぜ君が最前席に陣取っているんだ」

「なんで、って言われてもなぁ。この席に招待されたんだから仕方ないだろ」

「僕はそんなことをした覚えはない」


した覚えはないというより、できなかったというのが正しい。
世界の要人がひしめくこの場において、戸籍上何ら繋がりのない相手を『家族』として優遇することなど許されるはずもなかった。
どうにも、何者かの陰謀めいた意図が働いているように思えてならない。
ステイルが心中ひそかに首をひねっていると、案の定というべきか、したり顔の策謀家が種明かしを始めた。


「それはそうでしょうねぇ。だってそれは私の仕業なのだから」

「……貴女にいたっては呼んだ覚えすらないんですが。そのポケットから覗いている招待状、偽造ですよね」


ステイル=マグヌスの不倶戴天の仇敵、ローラ=スチュアートがすぐそこにいた。
いたというか、さっきからずっと長椅子に座って、上条詩菜となごやかに談笑していた。
その首根っこを掴んで上条と詩菜から引き離すと、周囲の目を窺いつつステイルは声をひそめる。


「ローラ=スチュアートが僕らの前に姿を現すことは、二度とないんじゃなかったんですか」


皮肉の色が混じることは止められなかったが、問いかけの半分ほどは、純粋な疑問から成り立っていた。
七月二十一日にバチカンは聖ピエトロ大聖堂で別れて以降、ステイルはローラがどこで何をしていのたか、まるで知らない。


「ええ、そうね。ローラ=スチュアートは七月二十八日に死んだわ。ここにいるのはただのローラ。インデックスの妹で、『彼』の娘のローラ=ザザよ」

「詭弁と御託を並べるのだけは、どのローラさまもお上手なようですね」



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