過去ログ - とある神父と禁書目録
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62:>>1 ◆weh0ormOQI[saga]
2011/12/27(火) 22:40:13.91 ID:l5SKq28Z0


残された利き腕一本で、邪魔くさいシャツを引き破って脱ぎ捨てる。
親指の先をガリ、と噛みちぎった。
あふれ出る赤。
ポンコツ同然の心臓がまだ、辛うじて動いてくれている証。
流れ出る血液を裸になった上半身に押しつける。
傷と痣だらけの胸に刻まれる真紅の一文字。
これもまた、ステイルの地道で地味な修練の所産の一つ。
天才の皮を被った凡才が歴史に記す、まったく新しいルーン。


『これってルーン? こんなの見たことないかも』

『けど、未完成だ……禁書目録たる君が見るようなモノじゃないよ』


それは同時に、大切な人を護るためだけに創られた、少年の人生そのものでもあった。

北欧神話の主神は語る。
真のルーンとは己がよって立つ土地と、直面する状況を精査して繰り出されるただ一文字
を指すのだと。
ならばステイル=マグヌスの二十四年間は、この一文字のためにあったのかもしれない。
ステイルは運良く二本とも大過を免れた脚で大地を踏みながら、『状況』をねめつけた。


――――bwq完了neqbcまで一〇jxp秒――――


見えない玉座に腰掛ける『神を浄化する神』が、脳の内側に直接響くような声で唸る。


――――命名――――


この世とは異なる『界』からやってきた力が、ロンドンから世界の空へと飛び立つ。




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