79:>>1 ◆weh0ormOQI[saga]
2011/12/27(火) 23:00:09.46 ID:l5SKq28Z0
「やはり、僕程度の二流にはこたえるね」
そして少しずつ、融けゆく蝋のように、その輪郭が薄らいできていた。
「いや、いやいやいやいやいやぁっ!! いかないで、すている!!」
女は悟った。
身にあまる大魔術を行使したリバウンド。
凡才が天才たちの叡智の結晶たる『神』を打ち破ったことへの、当然すぎる代償。
女がそれを受け入れられるはずもなかった。
だから喉を破らんばかりの大声で、叫んだ。
「私は、私はあなたを、あなたの!! あ、あなたのために、生きて」
あなたのために、生きて死ぬから。
だから、死なないで。
少年がかつて少女に捧げた誓い。
神裂火織から伝え聞いた、彼にとってもっとも神聖な文言を引き合いに出してでも、
どうしても死んでほしくなくて、そう告げようとした。
しかし女の想いの最後のひとかけらは、言葉にはならなかった。
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