過去ログ - 知久「今日はほむほむの特売日だ」
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692:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2012/01/29(日) 13:30:05.09 ID:JnDIout0o
ガコンと軽く振動してから、上に昇っていく感じが足元から伝わってくる。
ついに、ミタキハラカルトと出会える。
どのような場所なのか、少しだけ好奇心が湧き、冷徹な感情に押しつぶされる。
いよいよドアの隙間から光が漏れてきた。この目に焼き付けて、殺して、もう一度戻そう。
そうすればまた…また、優しいまどかと元気なさやかに会える。そう信じたい。

 まどか「ここが、ほ虐場。ほむらちゃんには見せられないけど」
 さやか「古今東西いろいろな拷問道具をほむほむサイズにしたものと、工具や文房具、日常用品みたいな…ありふれた物が置いてあるんだ」
 まどか「えっと…暁美さん、大丈夫?」

目に入ってきた景色は、自分がまだ知らない色で彩られていた。
そこには、カルトらしい狂気に囚われている者は一人もいない。
冷静…とも違う。これは、日常風景なのだ。
ミタキハラの生徒と思しき少年と、その子の知り合いらしい男性が言葉を交わす様を見る。

 少年「あ、こんにちは、○○さん」
 男性「おお、××君。今日は部活とかないのかい?」
 少年「テスト前なんでねー」
 男性「じゃ、こんなとこにいちゃだめじゃないか」
 少年「上で勉強してたんすよ」

声だけで判断しても、彼は普通の少年よりもむしろ活発そうだった。

 男性「だからって降りてきちゃだめだろー」

こちらも、明るい口調で喋る、気さくな学生であった。

 少年「んじゃ、俺、向こうの工具室に行ってなんか取ってきますわ」
 男性「だからー、勉強しなって。ま、俺もラック取ってくるか…久しぶりに」

少年は小さな部屋へとドアを開けて入っていった。男性も、同様に拷問器具を持ち出しに行くようである。
この二人はまともそうだった。しかし、虐待そのものがおかしい行為なのだ。よって、ここにいる時点でまともな人間ではない。
世の中には、人の皮を被って鬼畜の所業をする人間はいくらでもいる。絶対に騙されるものか。

 さやか「ちょっと!暁美さん…暁美さん!て、転校生!」
 ほむら「…!?あ、ご、ごめんなさい。少し惚けてしまったわ」
 まどか「やっぱりきついよね…ごめんね!すぐ戻ろ!」
 ほむら「まだいいわ。ええ、そこまで…しなくてもいい」
 さやか「え…?」

何だろう、この感情は。
少し前まで皆殺しにしてやると息巻いていたのが嘘のようだ。狂気は、ここにはなかった。
本当に、『いつも』の事として皆受け入れているのだろう。私をその日常に引き入れようとしたのは、積極的な行動だったのではないだろうか。
それでも…私は、虐待を許す訳にはいかない。

 ほむら「ねえ、『鹿目さん』。まどまどというのは何なの?」
 まどか「え…でも、いいの?」
 ほむら「ええ。そこまでショックじゃなかったわ」
 さやか「…そういうもんなの?」

二人とも拍子抜けしたような顔をして、体裁が悪そうに笑う。まるで、けんかが双方の同時の謝罪で突然終わったかのように。


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