過去ログ - 知久「今日はほむほむの特売日だ」
↓ 1- 覧 板 20
749:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga sage]
2012/01/30(月) 21:53:46.45 ID:QRH9CF7Io
「じゃあ、これをこいつに取り付けて何か喋らせればいいんだな?」
「ええ」
「ホムー!ホムホムゥ///」クスグッタイヨ
「なあほむら」
「何かしら」
「これ虐待するんだろ?」
「当然でしょう」
杏子の顔にはありありと嫌悪が浮かんでいる。しかし、報酬の1万を思い出したのか、しゃんと背を伸ばしてホムリンガルの電源を入れる。
「ホム?」 ……
「おい何も映らないぞ」
「意味のない呟きなのよ。ほむほむ、何か喋りなさい」
「ホム?ホーム、ホムホムー」 おなかがすいたよ
「お、『おながかすいたよ』だとさ」
「見てるから分かるわ。ほむほむ、○か×で答えて。貴方はまどまどが好き?」
「ホムホムー」 おなかがすいたよ
「いや…おい」
「…じゃあ、ほむほむ。○か×で答えて。これはカミソリだけど、怖い?」
「ホムゥ!ホム・・・」 おなかがすいたよ
「……」
そう、ホムリンガルがほ虐専用になったのは正にこれが理由である。
ホムリンガルはほむほむの発する微細な電波(人体には無害)をキャッチし言葉を出すのだが、
ほむほむには「いつものとき」と「瀕死のとき」の2パターンしかその波長の種類がない。
前者は、本当にいつでも…まどまどが側にいる時の求愛も、餌を探している時の独り言も、気の狂った空笑も…。全て含まれる。
瀕死のとき波長が変わるのは、仲間を呼び寄せる為だとも言われている。
しかし、そんな事は重要な問題ではない。
人間は当然、もう一つの表示を見たがる…「いたいよ!」という文である。
美樹工房は、実際にはこの2つしか表示されないようにこのホムリンガルを設計していたのだ。
それが発覚する前に確信犯的にこの商品をリコールしたのだが、まだ残っていたらしい。
美樹工房はほ虐を勧めるためこのような賭けに踏み切ったそうだが…その目論見は、少なくとも世間一般には成功せず、今に至る。
杏子とほむらは、疑いの眼差しでほむほむとホムリンガルを相互に見比べる。
「おい、これ欠陥商品なんじゃないのか?」
「商品説明によると、ほむほむが瀕死のときには『いたいよ!」』と表示されるようだけど」
「いたいよ…か。 おい、ほむら」
「やるの?」
「当たり前だろ。折角の魔法の力じゃないか」
「何もかも間違ってる気がするけれど突っ込まないでおくわ」
この二人も、根本は同じだ。何一つ違わない。何一つ、変わっていない。
二人は急に強い殺気を放ちだす。これが中学生女子かと疑う程の、だ。
1002Res/600.64 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。