過去ログ - 知久「今日はほむほむの特売日だ」
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817:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県)[sage]
2012/02/02(木) 19:35:57.19 ID:CNTzXrlU0
ほむほむたちは何がなんだかわかりません。
なんだかとても恐ろしいことが起こっているのだけは分かって、食卓の上で家族で集まってブルブルと震えていました。

「ん?なんだこれは?」
「ああ、それが顧客名簿に載っていた特注品のようですね」

知らない人間が、大切にしまっていたホウキとチリトリを手に取っています。

「ホムゥ!」
ほむほむは思わず叫んでいました。
ホウキとチリトリはご主人が用意してくれたものの中でも、一番大切なものです。
これでご主人のお部屋を綺麗にして、ご主人に褒めてもらう。
それがほむほむの幸せです。

お掃除を頑張っていたからこそ、まどまどに会え、そしてこどもたちも産まれたのです。
ほむほむは怖いのも震えるのも忘れました。食卓から飛び降りると、ホウキとチリトリを持った人間の足元に駆け寄りました。

「ホムホムゥ!」 ソレヲ カエシテ!
でも人間は聞こえているのかいないのか、ほむほむの方を見向きもしません。

「ホムゥゥゥゥー!」
ほむほむは人間の足を殴りました。
でも人間はホウキとチリトリを持ったままです。
ほむほむは人間の足を蹴りました。
でも人間はほむほむたちのおうちに手をつっこんで中の物をひっぱり出しています。

「ホムホムゥッ!!」
それでもほむほむは人間の足を殴ったり、蹴ったりをやめません。

そのうち人間がやっとほむほむの方を振り向いてくれました。
「さっきからホムホムうるさいな」
「このままここで処分しましょうか?」
人間たちは何やら話し合い始めました。

するとそこにまた、別の人間がやって来て言いました。
「ちょっと待ってください」
この人間は他の人間たちと違って、真っ白くて長い服を着ています。
「このほむほむは、なかなか面白い飼われ方をしていたようです」
白い服の人間は、ほむほむと、それから食卓の上でまだ震えているまどまどとこどもたちをチラリと見て言いました。
「興味深い観察対象です」

「私のほむほむたちに何をする気だ!ほむほむが何をしたというんだ!」
ご主人がまた叫びます。
取り押さえていた人間たちが力を加えたようで、ご主人はとうとう床に押さえ込まれてしまいました。

「ホムゥ!」 ゴシュジンサマ!
大好きなご主人が痛そうな顔をしています。
この人間たちは悪い人たちに違いありません。

ほむほむは勇気を出してご主人の方へ走り出しました。

「ほむほむ!来るな!危ないよ!」
ご主人の声にほむほむは足を止めました。
「うう…ほむほむ…ほむほむ…」
ご主人は顔も床に押し付けられ、もううめき声しか出せなくなってしまいました。
「ホムゥ…」 ゴシュジンサマ…

白い服の人間がご主人を見下ろして言います。
「これは重症ですね…きっと更正施設送りでしょう」

白い服の人間は、他の人間たちに指示して、お部屋の隅に背が高くて黒い機械を取り付けました。

ほむほむはまどまどとこどもたちと一緒にただ見ていることしかできません。

やがてその作業が終わると、人間たちはご主人を引きずるようにしてお部屋から出て行ってしまいました。

ほむほむたちはご主人を追いかけようとしました。でも
「ほむほむ…まどまど…大丈夫だよ…すぐ戻るからね…待っていてね」
とご主人が最後に言っていたので、言うとおりに待つことにしました。



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