過去ログ - 「そっか、幸せだったのか。インデックス」
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440:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(四国)[sage saga]
2012/04/05(木) 00:30:45.40 ID:kiKEXkbAO



彼は虚ろな目でそれを眺めていた。
彼が助けたいと思った少女は崩壊の中心にいた。
瓦礫の下に埋もれている。
助けたいと思った行動の結果が今、彼が眺めている光景だった。

彼は理解した、これ以上何かをすれば、世界を滅ぼすまでいくと。

彼はその場であっさりと降参する。少女がいないのならばもう何も意味はなかった。

彼は喜劇の内幕を次の研究施設で知らされる。
彼の限界値を引き出すには、他の被験者と同じ方法を採用しても無理だと判断されていた。
その代わりとして偶々、彼と親しくなった少女を利用する。
より親しい関係を築かせたうえで少女をわざと危機的状況に陥らせて、彼の限界値を引き出す起爆剤とする。
そういう計画があったと。

アレがその計画だったのかは分からない。ただ、その計画が正しかったのはlevel5と記された書面が証明していた。

それからの彼は誰にも感情を向けなくなった。
向けた結果が瓦礫の中で見た光景である。
その先も容易に想像が出来た。

滅びを回避し、他人を守るために人としての感情を閉じ込め氷のような人間となる道を選んだ。

そして彼は一方通行となる。





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