過去ログ - 「そっか、幸せだったのか。インデックス」
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(四国)
[saga]
2012/09/08(土) 20:53:08.08 ID:NUiEaSKAO
窓の外は暗闇が広がっている。
電気もつけないPCのモニターの明かりだけが灯っている室内でカエル顔の医師は電話で話している。
相手は古い友人であり、かつての彼の患者。
『ふむ、その薬は他にも適用できるのかな』
「無理だね」
「生命力を還元したものが魔力。それを得るには自律神経の支配下にある体内器官を自分の意思で自由に動かすことだったかな?君に教えて貰ったことだったね」
「今回は彼女、インデックス君を患者としてつぶさに診ることができた。それこそ呼吸法から内蔵の動き、バイタル値の全てをね。得られた数値を元に体内器官を抑制する薬を調合できただけだよ?」
「君の生命維持処置でも同じだったじゃないか?別の誰かに同じ効果が得られるかはわからない、体内器官が機能不全に陥いる場合も想定できる。危険だね」
『そうか……ところで貴方は別の対処方法も編み出していたのでは?』
「……ふぅ、生命活動のラインをギリギリまで抑制する。例えば意図的に仮死状態におく、もしくは冷凍睡眠〈コールドスリープ〉。それで魔力の精製はできなくなるんじゃないかな。それと……君と同等の処置も考えたよ」
『なるほど』
「その場合、やり過ごしただけで目覚めた時に再度、発症する可能性もあるね」
「そうならなくても毎年、同じ処置をしなければならない。根治治療の方法があれば試してみるべきだよ」
「僕は自分の患者に全力を尽くすだけさ」
「と言っても僕は今回、その手助けをしているだけだね」
『貴方は変わらない』
「……君はこれからどうするのかな、アレイスター?」
『私の望みも願いも変わらないよ』
それを最後に電話は切られる。
カエル顔の医師は夜に変わった空に目を移し、彼等が無事に帰って来ることを願う。
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