11:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋)[sage saga]
2012/01/11(水) 01:17:50.69 ID:LFooJzIg0
「それはまたずいぶん遠回りしたね。あの通りからうちの学校に向かうなんてさ」
「えっ?」
「だってあの通りって横に抜ける道がなくてちょっと不便じゃない?ま、遊んでるときはそんな気になんないけど、登校中にあの道通るのはあの長い通りをわざわざ端まで行って折り返して戻ってくることになるじゃん」
「ちょ、ちょっと待って。私が今朝学校に来たときはあの道から細い路地だけど通ってきたわよ」
「? そんなはずないよ。あの道には横方向には抜けれないはずだよ、よく行ってるから知ってるけど」
今度は私が困惑する番だった、もしかして私の言っている通りが涙子の言っている通りとは違うとか?
「じゃ、じゃあ私が今朝通った道を通ってみましょう。それなら話が早いでしょう?」
「あ、うん。そうだね、もし静の言ってるとおりに道があるならこれから便利だし」
そういって私は今朝来たはずのあの路地に向かって歩を進めた、涙子が後からついてくる。
朝に起きたことは事実のはずだ、バスに乗り間違えたり、バス停を間違えたり、道を間違えたり―――あの青髪の人にあったことも。
私は片手で携帯電話を開きアドレス帳を呼び出す、名前を聞きぞびれたため『青髪の人』と入力しているため上のほうに表示されているはずで・・・あった。
たしかに私は今朝あの人にあって細い路地から学校の手前の道までやって来たはずだ、それが事実であると携帯電話に表示されたこの文字列が証明している。
そして―――
「ここ、この路地から私はこっちの道に来たわ」
「う〜ん、たしかにここから一つ向こうの通りが目的地だけど・・・・・・たしかこの道って」
「とにかく行ってみましょう」
なにやら涙子が難色を示しているようだが私は確かにこの路地を通ってきたのだ、隣り合うビルも今朝見たものと同じはず。
私は涙子をおいて路地に飛び込んだ、しかし私の足はすぐに止まってしまう。
「・・・・・・っ!?」
「あのさ静、この先にはさ―――」
「どういうことよこれ・・・・・・」
私の目の前に朝には無かったはずのものが当たり前のように立っていた。
「フェンスがはってあって通れないよ」
そんなものは見れば分かる。私が道を間違えた?その可能性はある、けれどつい今朝のことなのに間違えるか?
「ここ以外のところもなぜか通れそうなところにはフェンスがあって通れないんだよね、まぁ上れば超えれるだろうけどスカートで登る気にはならないけどねぇ」
「・・・・・・今朝ここを通った時にはこんなフェンス無かったのよ」
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