143: ◆eZUHOxTppE[saga]
2012/01/17(火) 01:53:05.29 ID:3Ackjly40
「綾乃ちゃん? どしたん、そんなに急いで」
「べっ、別に、急いでなんか、ないわよ」
「うそやん、今日は生徒会の用事ないねんで?」
「わ、分かってるわよ。ちょっと忘れ物取りに行くだけなんだからっ」
我ながら苦しい言い訳だったが、そうするより他は無かった。
間もなくして生徒会室に着くと、私は自分のデスクに向かう。
千歳に言った手前、とりあえず探し物をするフリをしなければならない。
室内には、当然の事ながら私たち二人以外に誰の姿もなかった。
「この部屋に居られるのも後少しやね」などとパイプ椅子に腰掛けた千歳が呟いている。
確かにもう数ヶ月もすれば私たち3年生は卒業だ。
いつしか歳納京子が言っていたように、この3年間は遠い道のりのように見えて実にあっという間だった気がした。
335Res/210.51 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。