259: ◆eZUHOxTppE[saga]
2012/01/18(水) 03:26:56.20 ID:vwUxP9/A0
最後のホームルームが終わり人のまばらな教室内を、私はぼーっと眺めていた。
なんだか、現実味がなかった。
少なくとも、今日でこの教室にいるのは最後という気分にはほど遠い。
260: ◆eZUHOxTppE[saga]
2012/01/18(水) 03:27:38.28 ID:vwUxP9/A0
暇を持て余してそのメールを見直すも、承諾の返信をした後はまだ連絡がない。
ようするにこのまま少し待て、という事なのだろう。
当の本人は、終了後すぐに教室を出てどこかへ行ってしまった。
261: ◆eZUHOxTppE[saga]
2012/01/18(水) 03:28:05.47 ID:vwUxP9/A0
ただ歳納京子への反応を見る限り、その性格は幼馴染同士で正反対のようだった。
常に落ち着きがなくマイペースに動く歳納京子に対して、いつも真面目で周りに気を配る、後輩思いな船見さん。
船見さんが隣に居てブレーキを掛けて初めて、歳納京子の天真爛漫な魅力が引き出されるのかもしれない。
262: ◆eZUHOxTppE[saga]
2012/01/18(水) 03:28:53.72 ID:vwUxP9/A0
だけど、泣いても笑ってもたぶん今日が最後のチャンスやで、とは千歳の弁だ。
彼女の告白に対する私の答えは、千歳をひどく傷付けて悲しませるものだったに違いない。
それでも千歳は、私を応援する、と言ってくれた。
263: ◆eZUHOxTppE[saga]
2012/01/18(水) 03:29:22.18 ID:vwUxP9/A0
「あー。綾乃?」
「・・・っ!?」
264: ◆eZUHOxTppE[saga]
2012/01/18(水) 03:29:55.68 ID:vwUxP9/A0
船見さんが両手で差し出した紙包みには、何となく見覚えがあった。
赤と緑で装飾されたリボンと、モミの木やステッキなどのイラストを交えた少々子供っぽくも感じる包装紙。
「これって・・・もしかして」
265: ◆eZUHOxTppE[saga]
2012/01/18(水) 03:30:27.76 ID:vwUxP9/A0
「ごめんね、ずっと言い出せなくて」
「いえ、私こそ・・・あの時は帰ってしまってごめんなさい、ありがとう」
266: ◆eZUHOxTppE[saga]
2012/01/18(水) 03:31:39.15 ID:vwUxP9/A0
「あの・・・クリスマスの事なんだけどさ」
「クリスマス?」
267: ◆eZUHOxTppE[saga]
2012/01/18(水) 03:32:13.70 ID:vwUxP9/A0
「少なくとも、京子が綾乃に電話した時点ではあいつ、そのつもりだったと思う」
「そう・・・なの?」
268: ◆eZUHOxTppE[saga]
2012/01/18(水) 03:32:43.90 ID:vwUxP9/A0
「あいつね。ちっちゃい頃はすごく泣き虫で」
「ええ。そんな話を聞いた事があるわね」
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