81: ◆eZUHOxTppE[saga]
2012/01/15(日) 22:40:14.12 ID:bIt6DJVy0
「(よ、良かったですわ・・・本当に良かった)」
「ど、どうしたの向日葵? 嫌がらないの?」
82: ◆eZUHOxTppE[saga]
2012/01/15(日) 22:41:27.71 ID:bIt6DJVy0
やがて追いついて来た歳納京子が私の隣に並ぶ。
黒地に大小の紅い花が描かれている着物に赤い帯。
良く見ると、頭に乗せたカチューシャもいつものものよりもう少し赤寄りで若干模様が入っている。
その日、初めて間近で見る、歳納京子の浴衣姿。
83: ◆eZUHOxTppE[saga]
2012/01/15(日) 22:44:23.91 ID:bIt6DJVy0
「うお〜、いろいろあるぞ〜! 迷うな〜何からいこうかな〜」
「ちょっと歳納京子、落ち着きなさいよ」
84: ◆eZUHOxTppE[saga]
2012/01/15(日) 22:46:53.11 ID:bIt6DJVy0
「ほい、綾乃の番!」
「え、あっ、うん」
85: ◆eZUHOxTppE[saga]
2012/01/15(日) 22:48:42.98 ID:bIt6DJVy0
などというやり取りをするだけで体温が上がってしまう私。
気を取り直して、おもちゃの銃を構える。
確かに狙いにくい位置だけど、歳納京子が落としたぬいぐるみの分の隙間から何とかいけそうだ。
86: ◆eZUHOxTppE[saga]
2012/01/15(日) 22:51:05.78 ID:bIt6DJVy0
軽い銃声のあと、むなしく揺れる景品の箱。
「あぁ〜・・・」
87: ◆eZUHOxTppE[saga]
2012/01/15(日) 22:52:22.19 ID:bIt6DJVy0
カタン…
一瞬の間を置いて、箱が倒れる音。
私の放った弾丸は、見事狙いの品物を射止めたのだった。
88: ◆eZUHOxTppE[saga]
2012/01/15(日) 22:53:30.61 ID:bIt6DJVy0
歳納京子は普段以上に上機嫌だ。
そんな彼女を隣に置いて、私もなんだか嬉しくなってくる。
そこで、私は少し勇気を出してみようと思って、声を掛ける。
89: ◆eZUHOxTppE[saga]
2012/01/15(日) 22:57:22.69 ID:bIt6DJVy0
全然分かってないわよ、と口に出して言うほどの度胸は無かった。
せっかく勇気を出したのに、最後まで素直になりきれない辺りが私らしい。
でも去年に比べて確実に進歩はしているのだ。そう思いたい。
90: ◆eZUHOxTppE[saga]
2012/01/15(日) 22:59:40.36 ID:bIt6DJVy0
「それにしても、歳納京子は良く食べるわね」
「いやあ、お祭りに来たらまず綿菓子だよね〜。あ、あと林檎飴もとりあえず定番だし。焼そばもホットドッグもチョコバナナも全部好き!」
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