過去ログ - 律「閉ざされた世界」
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116:にゃんこ[saga]
2012/02/13(月) 21:12:57.33 ID:fm+CEUEl0
憂ちゃんが軽く微笑んで、私の申し出を断る。
ひょっとしたら私のセクハラを警戒してるのかな、って邪推しちゃったけど、
憂ちゃんの穏やかな笑顔からは、そんな感じはしなかった。
まあ、胸を見てただけに、セクハラを警戒されてても仕方が無くはある。
でも、憂ちゃんが私の申し出を断ったのは、
そういう意味じゃなかったんだって事は、その後の憂ちゃんの言葉ですぐに分かった。


「私の方は外を出歩いてるわけじゃありませんから、疲れなんて大した事ないんですよ?
それよりもこんな不思議な事が起こってる町の中を探ってくれてる、
お姉ちゃんや律さん達の方が、ずっとずっと大変だし、疲れてらっしゃると思うんです。
梓ちゃんなんて、綺麗な肌があんなに真っ黒になるまで頑張ってくれて……」


「ありがとう、憂ちゃん。
でも、私達だって憂ちゃん達には感謝してるんだよ?
学校に戻った時、憂ちゃん達が待っていてくれてるから、私達も頑張れるんだから。
憂ちゃんのごはんだって美味しいしね。
まあ……、梓の肌は夏空をちょっと歩いただけで、すぐ真っ黒になっちゃうんだけどさ」


ちょっと照れ臭くなって最後に冗談を言ってみると、
「そうですね」と憂ちゃんも嬉しそうに微笑んでくれた。
いや、梓の肌がすぐ真っ黒になっちゃうのは、別に冗談じゃないけどさ。
でも、もう慣れたけど、あいつって日焼けし過ぎだよな……。
体質なんだろうが、いつも大変だろうな、あれ……。
少なくとも私はちょっと外に出ただけで日焼けに苦しむ体質にはなりたくないぞ……。

日焼けで思い出したが、中学の頃に澪の家族と私の家族で海に遊びに行った時、
遊び過ぎてつい日焼けし過ぎちゃって、異常なくらいの日焼けの痛みに苦しんだ事があったな。
あの日は旅館で澪と同じ部屋に泊まったんだけど、
衣擦れすら痛くって、布団に包まりながら、服全部脱いでたんだよな、私。
それで次の朝、ちゃっかりちゃんと日焼け止めを塗ってた澪が、
特に日焼けもしてない肌で、中々布団から出ようとしない私の布団を無理矢理はぎ取って……。
後の事は誰でも想像出来ると思うが、あれは気まずかった……。

お互いの裸は小さな頃から見慣れてるとは言っても、
流石に布団の中に転がる裸の姿を見慣れてるわけじゃないからな……。
「ご……、ごめんなさい!」って叫んで、
顔を真っ赤にして部屋から出てった澪の表情は忘れられない……。
何を勘違いしたんだろうか……。
いや、分かってるけど、そこはノータッチの方向で行こう。

ついでに言えば、その後、真相に気付いた澪に叩かれた肌の痛みも忘れられん。
軽く叩いたのは分かってるけど、あれ、すっげー痛かった。
痛みのショックで死ぬかと思ったぞ……。
しかも、私、別に何も悪くないじゃん……。

あれ?
そういや、理由こそ違うけど、私って今日の純ちゃんと同じ事やってたんだな。
梓が過剰な突っ込みをするタイプの子じなくて良かったな、純ちゃん……。


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