117:にゃんこ[saga]
2012/02/13(月) 21:13:21.59 ID:fm+CEUEl0
「ですから……」
純ちゃんの無事を羨ましく思いながら頷いてる私に向けて、憂ちゃんが続けた。
私は慌てて憂ちゃんの顔に視線を向け直す。
「背中は私に流させて下さい、律さん。
この三日間の疲れを取れるように、頑張ってご奉仕させて頂きますね。
律さんにご満足頂けるかあんまり自信は無いんですけど、
「憂の垢すりは上手だねー」ってお姉ちゃんは褒めてくれるんですよ」
また嬉しそうに憂ちゃんが笑う。
やっぱり唯とは結構一緒に風呂に入ってるんだな、とは口にしなかった。
それは言わなくてもよかった事だったからでもあるし、
憂ちゃんの笑顔をもっと見ていたかったからでもある。
憂ちゃんの幸せそうな笑顔は、見ているととても安心するよな。
それが自分に向けられた笑顔じゃないとは分かってるんだけど、それでいいんだって思えるんだ。
憂ちゃんの笑顔には、そんな魅力がある。
私もいつかはそんな笑顔を浮かべられるんだろうか……?
それは、まだ、分からない。
でも、とりあえず今は……。
「それじゃ、まずは憂ちゃんに任せちゃおうかな?
唯のお墨付きの憂ちゃんの腕を見せてもらう事にするよ。
憂先生、お願いします」
私は五右衛門風呂から出て、プールサイドに置かれたバスチェアに腰を下ろす。
今はまず憂ちゃんの好意に甘えようと思う。
正直、この三日間、実は結構疲れてる。
背中を流してもらう息抜きくらいはしたい。
私がこれから皆のために何が出来るのか考えるのはその後だ。
それに変な所で繊細なこだわりがある唯のお墨付きなんだ。
きっと憂ちゃんのテクニックは相当なものなんだろう。
勿論、後で憂ちゃんの背中を流すつもりでもあるけど、今はそれは内緒にしておこう。
何事にも控え目な憂ちゃんだからな。
私から申し出たら遠慮しちゃうに違いない。
だから、私の背中を流してもらった後、
一息吐いてるだろう憂ちゃんの隙を見て、バスチェアに座らせようと思う。
バスチェアに座って背後を取られてしまったら、
流石の憂ちゃんだって私の申し出を断りはしないはずだ。
……しかし、背後、取らせてくれるよな?
俺の後ろに立つな!
とかにならないよな?
ウイ13……、なんつって。
私がそんな妙な事を考えてたのに気付いたんだろうか。
私に続いて五右衛門風呂から出た憂ちゃんが、私の想像もしてなかった行動を取った。
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