過去ログ - 律「閉ざされた世界」
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126:にゃんこ[saga]
2012/02/15(水) 19:26:59.11 ID:pP9cEDoP0
私は唯の事が大好きだ。
でも、憂ちゃんの事だって好きだ。
友達の妹だから少し距離感が掴めないけど、嫌いなわけじゃない。
憂ちゃんに唯の代わりを求めてるわけでもない。
だから、私は憂ちゃんに言うんだ。


「そういや、憂ちゃんの胸って唯より小さいよね」


突拍子も無い発言だったし、正直言ってセクハラだった。
怒られても仕方が無かったけど、憂ちゃんは怒るどころか笑ってくれたみたいだった。


「あはっ、そうですね。
実はお姉ちゃん、最近、また胸が大きくなってきたみたいなんです。
ブラジャーも合わなくなってきたみたいなんで、
この前、お姉ちゃんに頼まれて買いに行ったんですけど、予想以上のサイズでしたよ」


唯もブラぐらい自分で買いに行けよ……。
若干呆れたけど、今はそれはどうでもいい事だった。
やっぱり唯と憂ちゃんは似てるみたいで違う所は違ってるんだ。
当たり前の事だけど、何だか嬉しかった。
込み上げる笑顔を隠し切れず、少し笑いながら私は続ける。


「さっき憂ちゃんは私を驚かせようと思って、唯の真似をしたんでしょ?
しかし、その技、私には効かなかった!
何故なら、唯と憂ちゃんでは胸の大きさが違うからな!
ふはははは! 胸を大きくして出直して来い!
唯の真似をしたって、憂ちゃんは憂ちゃんなのだよ!」


また何だか失礼な発言だった。
大体、憂ちゃんの胸だって、
そんなに小さいわけじゃないし、悲しい事だけど正直私の胸よりはかなり大きい。
唯と差が付いてるのも、単に唯がよく食ってるから、
その分の栄養が胸に行ったってだけの話なんだろうと思う。
食った栄養が胸に行くタイプなんだよな、あいつは……。
あの野郎……!

私の言葉を聞いて、憂ちゃんは少しだけ黙っていた。
ひょっとして調子に乗り過ぎちゃったか?
そういえば憂ちゃんが怒った所を私は見た事が無い。
怒りの沸点も分からない。
ほんの少しの沈黙だったけど、何だか不安になってくる。

一瞬、憂ちゃんが私から身体を離した。
不安になっていたせいか、私から身体を離す憂ちゃんの腕を掴む事も出来なかった。
やっぱり、怒らせちゃったんだろうか……?
バスチェアに座ったまま恐る恐る振り返ると、
急に憂ちゃんが腕を広げて笑顔で飛び掛かってきた。


「もう、律さんったら……。
女の子に胸の事を言っちゃ……、めっ! ですよ」


正面から私に抱き着きながら、憂ちゃんが私の耳元で囁く。
唯の真似をして私の背中に抱き着いていた憂ちゃんが、
自分の意思と自分の言葉で私に真正面から抱き着いてくれたんだ。
単にふざけてやった事かもしれない。
深い意味があっての行動じゃないのかもしれない。
でも、憂ちゃんが自分の意思で抱き着いて来た事だけは確かだ。
私はそれがとても嬉しい。


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