213:にゃんこ[saga]
2012/03/08(木) 18:53:35.83 ID:KZCU44ik0
「ごめんね、梓。
私、カッコいい名前だって思ってから、それ以上の事をよく考えてなかったみたい。
そうだよね……。そういう事も考えておかなきゃね……」
純ちゃんが頭を下げると、梓も苦笑しながら頭を下げて謝った。
「ううん、こっちこそごめん、純。
我ながら神経質だって思うんだけど、ついそんな風に考えちゃって……。
カッコいい名前を考えてくれてたのに、ごめんね……」
どっちも悪くない、って私は思った。
純ちゃんはカッコいい名前を思い付いて、皆に発案した。
梓はそのネタ元の結末に嫌なイメージを持った。
それだけの事なんだ。
二人とも間違った事なんかはしてない。
それだけに、これから梓と純ちゃんに出来る事は、お互いに謝り合う事だけになってしまう。
二人とも悪くないんだから……。
だけど、そんな事をさせちゃいけないんだ。
こんな時こそ、普段はあんまり役に立たない私の言葉が必要なんだ。
私は軽く笑ってから、表情を曇らせる純ちゃんに言葉を届ける。
「純ちゃんが考えてくれた名前、カッコいいと思うよ。
でも、悪いんだけど、私も梓と同じくちょっと反対だな。
映画の結末がどうのって話じゃなくてさ……」
「え……?
どうしてですか、律先輩?」
「略称が作りにくいんだよね。
『ウィー・アー・レジェンド』じゃん?
やっぱ、バンド名は略しやすくて憶えやすい名前が一番だよ。
『ウィーレジェ』って略せなくもないけど、ちょっと語呂が悪いよね。
『We Are Regend』の頭文字だけ取って、W・A・Rで『ウォー』ってのもアレだし」
「それは確かに……。
『ウィーレジェ』は言いにくいし、
『レジェンド』だけだと他のバンドと被りまくりそうですよね……」
純ちゃんが少し笑って頷いてくれる。
視線を向けてみると、梓の表情も緩んでるみたいだった。
どうやら、少しは議長の役割を果たせたみたいだ。
そう思った瞬間、和が深刻そうな表情で呟いた。
「ねえ、律……。
こんな時にすごく言いにくいんだけど……」
「な、何だよ、和……」
「レジェンドのスペルはL・E・G・E・N・Dで頭文字はLよ。
律……、W・A・Rでウォーって事はスペルをR・E・G・E・N・Dって間違えてたでしょ」
「うっそ、マジで!?」
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