過去ログ - 律「閉ざされた世界」
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229:にゃんこ[saga]
2012/03/12(月) 14:15:15.20 ID:1/V17SaX0
でも、照れ臭さや緊張で言ったら、
私のなんて和の数分の一にも至ってないだろう。
『感謝してる』って話してくれながらも、和の表情はやっぱり少し不安そうだ。
私は五右衛門風呂に漬けていた腕を出すと、和の頭に軽く手を置いた。


「私こそすっごく感謝してるよ、和。
私の無茶振りに付き合ってくれて、本当にありがとう。
練習、本気で付き合うよ。
弾けるってわけじゃないけど、知識としてならそこそこある。
発案者なんだもんな。和が嫌って言うくらい、つきっきりで練習に付き合う」


「練習に付き合ってくれるのは助かるんだけど、
私が嫌って言ったら、流石に離れてくれないかしら?」


「ははっ、そりゃそうか」


「そうよ」


私が笑うと、和も笑ってくれた。
眩しい笑顔のまま、和が続ける。


「ねえ、律。
私ね、実はもう緊張してるの。
生徒会の会長を務めて、全校集会にも何度も出たし、
卒業生代表の言葉も務めたのに、そういう緊張とは全然違うのね……。
唯や律達はずっとこんな緊張と付き合って来たのね……。
正直、尊敬するわ」


「それは仕方無いよ、和。
特に和は初ライブなんだし、初めてってのは誰だって緊張するもんだ。
私だって初ライブの時は結構緊張してたんだぜ?」


「そうなんだ。
澪はともかく、律達はいつもと変わらなかったから、
緊張してないように見えたんだけど、そういうわけじゃなかったのね」


「強がってただけだよ。
特にさ、澪の次に緊張してたのは私だったと思う。
ムギは落ち着いてたし、唯は楽しそうだったしな。
だから、和も大丈夫。
和はライブじゃないけど人前に出る場数は踏んでるんだし、
今はまだ練習してないから、不安になっちゃってるだけだよ」


「そうね……。
私は律ほどヘタレじゃないから大丈夫よね」


「そうだな……って、うおいっ、真鍋ー!」


和が軽口を叩き、私は和の後ろからチョークを掛ける。
和は笑顔で私の腕をタップしたけど、もう少しだけ解放してやらない。
しかし、まさか和の口からヘタレって言葉が出るとは思わなかった。
自分でもヘタレの自覚は結構あるけど、和に言われるのは意外だった。
しっかりしてるけど、結構普通な所もあるんだよな、和って。
前に「マジで!?」とか言ってたしな。


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